後で気づいたのであるが,(その50)−(その54)で述べたことは置換多面体の体積の検算に使えるかもしれない.すなわち,複体の単体(直角三角錐)分解である.となれば,正軸体版にも使えることになるので,その計算方法を示しておきたい.
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【1】正軸体版の場合
[1]切頂・切稜点
n次元正軸体の頂点の座標は
(1,0,・・・,0)
(0,1,・・・,0)
・・・・・・・・・・・
(0,0,・・・,1)
で与えられるから,基本単体の座標はk次元面の重心をとることによって,
p0(1,0,・・・,0)
p1(1/2,1/2,0,・・・,0)
p2(1/3,1/3,1/3,0,・・・,0)
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pn-1(1/n,1/n,1/n,・・・,1/n)
pn(0,0,・・・,0)
3次元の場合,x≧y≧z≧0なる点P(x,y,z)が与えられたとき,ずべての稜線の長さが等しくなるのは,点P(x,y,z)からx=y平面,y=z平面,z=0平面までの距離を等しくとると
(x−y)/√2=(y−z)/√2=z
→ y=z+√2z
x=y+√2z=z+2√2z
これらは,x+y+z=1上の点であるから代入すると,
3z+3√2z=1 → z=1/(3+3√2)
また,点P(x,y,z)のz=0平面に対する鏡映は(x,y,−z)であるから,辺の長さは2z.
4次元の場合は,点P(x,y,z,w)からx=y平面,y=z平面,z=w平面,w=0平面までの距離を等しくとると
(x−y)/√2=(y−z)/√2=(z−w)/√2=w
→ z=w+√2w
y=z+√2w=w+2√2w
x=y+√2w=w+3√2w
これらは,x+y+z=1上の点であるから代入すると,
4w+6√2w=1 → w=1/(4+6√2)
また,点P(x,y,z,w)のw=0平面に対する鏡映は(x,y,z,−w)であるから,辺の長さは2w
一般には,S=n(n−1)/2として
→ nω+S√2ω=1,ω=1/(n+S√2)
x=(1+(n−1)√2)ω,y=(1+(n−2)√2)ω,z=(1+(n−3)√2)ω,・・・,ω=ω
となることが理解される.
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[2]中心から各面までの距離
切頂切稜面はPkPnに垂直で,点
Q=(x1,・・・,xn),x1=x,x2=y,・・・,xn=ω
を通る.
PnP0=(1,0,・・・,0)
PnP1=(1/2,1/2,0,・・・,0)
PnPn-1=(1/n,・・・,1/n,1/n)
ファセットを定めている不等式は,
a・x=c
で与えられる.一般に,超平面a・x=cと点x0の距離は
|a・x0−c|/‖a‖
とくに,原点からファセットまでの距離は|c|/‖a‖となる.
PnP0に垂直なn次元超平面が点Qを通るので,
a=(1,0,・・・,0)=(a1,a2,・・・,an)
q=(x1,x2,x3,・・・,xn)
X=(X1,X2,・・・,Xn)
とすると,この超平面をa・(x−q)=0,a・x=a・q=cで表すと
c0=x1
h0=|c0|/‖a‖,‖a‖=(1^2)^1/2
この平面a・x−c0=0に点Pnから下ろした垂線の足は
X1=−a1c0/(a1^2+・・・+an^2)=−a1c0/‖a‖^2
X2=0,・・・
あるいは,直線
(X1−a1)/a1=kとの交点を直接求めてみると
X1=(k+1)a1,Y=0,・・・
−a1X1−a2X2−・・・−c0=0
に代入すると
(k+1){a1^2}=−c0
k+1=−c0/(a1^2)
となって
X1=−a1c0/(a1^2+・・・+an^2)=−a1c0/‖a‖^2
X2=0,・・・
と一致する.
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PnP1に垂直なn次元超平面では,辺心は
a=(1/2,1/2,0,・・・,0)=(a1,a2,・・・,an)
c1=(x1+x2)/2
h1=|c1|/‖a‖,‖a‖=((1/2)^2+(1/2)^2)^1/2=1/√2
この平面a・x−c1=0に点Pnから下ろした垂線の足は
X1=−a1c1/(a1^2+・・・+an^2)=−a1c1/‖a‖^2
X2=−a2c1/(a2^2+・・・+an^2)=−a2c1/‖a‖^2
X3=0,・・・
あるいは,直線
(X1−a1)/a1=(X2−a2)/a2=kとの交点を直接求めてみると
X1=(k+1)a1,X2=(k+1)a2,X3=0,・・・
−a1X1−a2X2−・・・−c1=0
に代入すると
(k+1){a1^2+a2^2+・・・}=−c1
k+1=−c1/(a1^2+a2^2+・・・+an^2)
となって
X1=−a1c1/(a1^2+・・・+an^2)=−a1c1/‖a‖^2
X2=−a2c1/(a2^2+・・・+an^2)=−a2c1/‖a‖^2
X3=0,・・・
と一致する.
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PnPn-1に垂直なn次元超平面では,胞心は
a=(1/n,・・・,1/n,1/n)=(a1,a2,・・・,an)
ここには切頂・切稜は施されないので,胞心面までの距離は1/√nであるが,同様に
cn-1=(x1+x2+・・・+xn)/n=1/n
hn-1=|cn-1|/‖a‖,‖a‖=((1/n)^2+・・・+(1/n)^2)^1/2=1/√n
‖ak‖^2=1/√k
この平面a・x−cn-1=0に点Pnから下ろした垂線の足は
X1=−a1cn-1/(a1^2+・・・+an^2)=−a1cn-1/‖a‖^2
X2=−a2cn-1/(a1^2+・・・+an^2)=−a2cn-1/‖a‖^2,・・・,
Xn=−ancn-1/(a1^2+・・・+an^2)=−ancn-1/‖a‖^2
あるいは,直線
(X1−a1)/a1=(X2−a2)/a2=・・・=(Xn−an)/an=kとの交点を直接求めてみると
X1=(k+1)a1,X2=(k+1)a2,・・・,Xn=(k−1)an,
−a1X1−a2X2−・・・−cn-1=0
に代入すると
(k+1){a1^2+・・・+an^2}=−cn-1
k+1=−cn-1/(a1^2+・・・+an^2)
となって
X1=−a1cn-1/(a1^2+・・・+an^2)=−a1cn-1/‖a‖^2
X2=−a2cn-1/(a1^2+・・・+an^2)=−a2cn-1/‖a‖^2,・・・,
Xn=−ancn-1/(a1^2+・・・+an^2)=−ancn-1/‖a‖^2
と一致する.
辺の長さを1に規格化する.
Hk=hk/2ω=hk/(2n+n(n−1)√2)
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aj=1として,切頂・切稜点Q(x1,x2,・・・,xn-1,0)から,
x1=a1平面
x1/a1−x2/a2=0平面
・・・・・・・・・・・・・・・
xn-2/an-2−xn-1/an-1=0平面
に下ろした垂線の足の座標を(X1,X2,・・・,Xn)とすると,
[1]x1=a1平面
X1−x1=1/a1(x1/a1)/(1/a1^2),
X2−x2=0,・・・,Xn−xn=0
[2]x1/a1−x2/a2=0平面
X1−x1=1/a1(x1/a1−x2/a2)/(1/a1^2+1/a2^2)
X2−x2=1/a2(x1/a1−x2/a2)/(1/a1^2+1/a2^2),・・・,Xn−xn=0
[3]xn-2/an-2−xn-1/an-1=0平面
X1−x1=0,X2−x2=0
Xn-2−xn-2=1/an-2(xn-2/an-2−xn-1/an-1)/(1/an-2^2+1/an-1^2),Xn−xn=0
Xn-1−xn-1=1/an-1(xn-2/an-2−xn-1/an-1)/(1/an-2^2+1/an-1^2),Xn−xn=0
なお,ここで
|x1/a1|/√(1/a1^2)=|x1/a1−x2/a2|/√(1/a1^2+1/a2^2)=|xn-2/an-2−xn-1/an-1|/√(1/an-2^2+1/an-1^2)
が成り立っている.また,Pn,Qを通り,それらを2等分する超平面は存在しないことを申し添えておく.
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