■リーマン予想が解かれた!(かも・第9報)

[1]杉岡→佐藤

 「リーマン予想が解かれたらしい」という驚くべきメールが仲間のK氏から送られて来ました。 次サイトに論文が出ています。その名もズバリ「A PROOF OF THE RIEMANN HYPOTHESIS」です。

 http://arxiv.org/abs/1110.2952

 中国の浙江大学 のSHAN-GUANG TAN氏が解いています。論文(サイト右上のPDF)を見た感じでは、現代数学を駆使してというふうには見えず、150年前の数学者が解いてもおかしくないような、積分式や多項式を変形していって自然に解いているふうに見えます。途中スターリングの公式を使っていますね。

 ある先生なんかは、「リーマン予想を解くには1万ページにもなろう」なんてたしか言っていましたが、TAN氏の論文はたったの14ページです。こんなページでけりがつくとは、数学者はショックを受けると思います。私もショックです。完璧なのかどうか。論文、今年の2月に出たようです。専門の数学者の意見聞いてみたい気がしますが・・・(杉岡幹生)

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[2]佐藤→杉岡

 拝見しました.> ずいぶん解析的な論文でしたね.これまで何度か解析的な論文を読んだことがありますが,正直どこまで正しくて,どこから厳密性を欠いているのかわかりませんでしたが,この論文ではスターリングを使っている時点で,要求されている厳密性のレベルに達しないのではないかという気がします.

 私のところにも証明が送られてくるくらいですから,このような論文は結構出ているみたいです.よく連絡をいただく京都の藤本実さんの論文に比べても洗練された感じがしないと思うのは私だけではないと思います.なお,中国の杭州は結構大きな都市で,学会もよく開催されるところです.

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[3]杉岡→佐藤

 おっしゃる通りで、どこまでが正しく、どこから厳密性を欠いているのかわかりませんよね。

 ところで、Sugimoto氏から、いままでにリーマン予想に関して多数出た論文等のまとめが次に出ていると教わりました。

http://empslocal.ex.ac.uk:80/people/staff/mrwatkin/zeta/RHproofs.htm

 ずいぶんとたくさん出ているのですね。今回もその一つと捉えれば気が楽になります。仲間からの「リーマン予想が解かれたらしい」というメールに慌てて送ってしまった感があります.

 ド・ブランジュのときは結構話題になりましたが、結局、注目されるのは

有名数学者だけで無名の人は見向きもされないということかもしれません。

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