■和算と算額(その34)

【1】雑感・その1

  大円(半径R),小円(半径r),中心間距離d

では

  s=(1−sin(π/n))/(1+sin(π/n))

とおくと

  d^2=r^2−rR(s+1/s)+R^2

が成り立つ.これがシュタイナーの定理に対応するオイラー・フース型定理である.

 もし,

  s=(1−cos(π/n))/(1+cos(π/n))

ならば,

  s={sin(π/2n)/cos(π/2n)}^2={tan(π/2n)}^2

となって,簡単な形になるのだが,・・・

  s=(1−sin(π/n))/(1+sin(π/n))

より

  s+1/s=2(sec^2(π/n)+tan^2(π/n))=2(1+2tan^2(π/n))

であるから,

  d^2=(R−r)^2−4Rrtan^2(π/n)

となるが,余弦定理との類似性や反転の幾何学的意味がかえってわかりにくい.変形のしすぎということになろう.

[Q]外円内に甲乙乙丙丙丁の6円が戊円を取り巻いて内外接している.

  (甲)

 (乙戊乙)

 (丙丁丙)

外円の直径は18寸,甲円の直径が3寸のとき,丁円の直径を求めよ.

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【2】雑感・その2

 算額のなかに,

[Q]与えられた△ABCの各辺を伸長した位置に点A’,B’,C’をとって作った△A’B’C’がもとの△ABCと相似になっている.

  A’B’=3寸,B’C’=6寸,A’C’=4寸,AA’+BB’+CC’=5寸のとき,CC’の長さを求めよ.

という問題をみつけた.

 正弦定理を活用した非常に巧妙な問題である.これを参考にして,和算風の問題を作ってみることにした.

[Q]△ABCの各辺を1:2の比に順次内分した点D,E,Fとし,AD,BE,CFの2本ずつの交点が作る△PQRを考える.3辺の長さa,b,cはすべて整数で,△PQRがもとの△ABCと相似になっている.a+b+c=58寸のとき,辺の長さa,b,cを求めよ.

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