【1】形状ベクトル
多胞体の中心からk次元面の中心に向かうベクトルを組にしたボロノイベクトルを
(v0,v1,・・・,vn-1)
で表すことにする.
形状ベクトルは,ボロノイベクトルに対してそのスイッチをオンオフするベクトル
(m0,m1,・・・,mn-1)
ただし,miは同時に0であってはならない.また,
(m0v0,m1v1,・・・,mn-1vn-1)
は残存する頂点を決定するパラメータと考えることができる.
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【2】縮退情報
石井源久「多次元半正多胞体のソリッドモデリングに対する研究」
によれば,
[a]4次元立方体の切頂
[0]頂点を通る場合 :{3,3,4}(0,0,0,1)
[1]辺の中点を通る場合:{3,3,4}(0,0,1,0)
[2]面の中心を通る場合:{3,3,4}(0,1,0,0)
[3]胞の中心を通る場合:{3,3,4}(1,0,0,0)
であって,[0]は切頂しない場合(すなわち4次元立方体)である.また,
[4]48胞体{3,3,4}(1,1,1,0)
は[2]と[3]の中間にあるのではなく,切頂・切面が必要になる.
形状ベクトルから縮退(contraction)情報を求めると
[0](0,0,0,1)→(1,0,0,0)
[1](0,0,1,0)→(1,0,0,1)
[2](0,1,0,0)→(1,0,0,1)
[3](1,0,0,0)→(0,0,0,1)
[4](1,1,1,0)→(1,1,0,0)→(1,1,0,1)
また,原正多胞体である正16胞体{3,3,4}のfベクトル
f=(8,24,32,16)
から胞数を求めることができて,それぞれ
[0]8
[1]8+16=24
[2]8+16=24
[3]16
[4]8+24+16=48
胞体が得られることになる.
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[b]3次元立方体の切頂
[1]辺心に達するまで:切頂六面体
[2]辺心 :立方八面体
[3]辺心から面心の間:切頂八面体の形
[4]面心 :正八面体
[0]頂点を通る場合 :{3,4}(0,0,1)
[1]辺の中点を通る場合:{3,4}(0,1,0)
[2]面の中心を通る場合:{3,4}(1,0,0)
であって,また[1]と[2]の中間に
[3]切頂八面体{3,4}(1,1,0)
があることになる.形状ベクトルから縮退(contraction)情報を求めると
[0](0,0,1)→(1,0,0)
[1](0,1,0)→(1,0,1)
[2](1,0,0)→(0,0,1)
[3](1,1,0)→(1,0,1)
また,原正多胞体である正八面体{3,4}のfベクトル
f=(6,12,8)
から胞数を求めることができて,それぞれ
[0]6
[1]6+8=14
[2]8
[3]6+8=14
面体が得られることになる.
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[c]
[0]頂点を通る場合 :{3,3,3,4}(0,0,0,0,1)
[1]辺の中点を通る場合:{3,3,3,4}(0,0,0,1,0)
[2]面の中心を通る場合:{3,3,3,4}(0,0,1,0,0)
[3]胞の中心を通る場合:{3,3,3,4}(0,1,0,0,0)
[4]4次元胞の中心を通る場合:{3,3,3,4}(1,0,0,0,0)
また,
[5]162胞体{3,3,3,4}(1,1,1,1,0)
は[3]と[4]の中間にあるのではない.
形状ベクトルから縮退(contraction)情報を求めると
[0](0,0,0,0,1)→(1,0,0,0,0)
[1](0,0,0,1,0)→(1,0,0,0,1)
[2](0,0,1,0,0)→(1,0,0,0,1)
[3](0,1,0,0,0)→(1,0,0,0,1)
[4](1,0,0,0,0)→(0,0,0,0,1)
[5](1,1,1,1,0)→(1,1,1,0,1)
また,原正多胞体である正16胞体{3,3,3,4}のfベクトル
f=(10,40,80,80,32)
から胞数を求めることができて,それぞれ
[0]10
[1]−[3]10+32=42
[4]32
[5]10+40+80+32=162
胞体が得られることになる.
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[d]6次元立方体の切頂
[0]頂点を通る場合 :{3,3,3,3,4}(0,0,0,0,0,1)
[1]辺の中点を通る場合:{3,3,3,3,4}(0,0,0,0,1,0)
[2]面の中心を通る場合:{3,3,3,3,4}(0,0,0,1,0,0)
[3]胞の中心を通る場合:{3,3,3,3,4}(0,0,1,0,0,0)
[4]4次元胞の中心を通る場合:{3,3,3,3,4}(0,1,0,0,0,0)
[5]5次元胞の中心を通る場合:{3,3,3,3,4}(1,0,0,0,0,0)
また,
[6]162胞体{3,3,3,3,4}(1,1,1,1,1,0)
は[4]と[5]の中間にあるのではない.
形状ベクトルから縮退(contraction)情報を求めると
[0](0,0,0,0,0,1)→(1,0,0,0,0,0)
[1](0,0,0,0,1,0)→(1,0,0,0,0,1)
[2](0,0,0,1,0,0)→(1,0,0,0,0,1)
[3](0,0,1,0,0,0)→(1,0,0,0,0,1)
[4](0,1,0,0,0,0)→(1,0,0,0,0,1)
[5](1,0,0,0,0,0)→(0,0,0,0,0,1)
[6](1,1,1,1,1,0)→(1,1,1,1,0,1)
また,原正多胞体である正32房体{3,3,3,3,4}のfベクトル
f=(12,60,160,240,192,64)
から胞数を求めることができて,それぞれ
[0]12
[1]−[4]12+64=76
[5]64
[6]12+60+160+240+64=536
胞体が得られることになる.
6次元立方体の基本単体の半切体は3次元面の中心を通るから,12房体以外に76房体も作ることができる.
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【3】切頂多面体
すべての頂点の周りが状態が一様で,辺の長さがすべて等しい多胞体が積多胞体である.辺の長さを等しくするためには,鏡映対称面までの距離が等しくなるように,vkを伸縮させて調整する.
切頂多面体の形状ベクトルは
{3.・・・,3,4}(・・,0,1,0,・・・・)
{3.・・・,3,4}(・・,0,1,1,0,・・)
などで表されることになる.
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【4】切頂切稜多面体
切頂切稜多面体の形状ベクトルは
{3.・・・,3,4}(1,・・,0,0,・・,1) (切頂優位)
{3.・・・,3,4}(1,・・,0,1,・・,1) (切稜優位)
などで表されることになる.
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