一般に与えられた三角形の各辺を同じ倍率kで伸縮した位置に点をとって作った三角形の面積は,もとの三角形の面積の
M=3k^2−3k+1=3(k−1/2)^2+1/4
倍になる.
k=1/3 → M=1/3 (3等分)
k=1/2 → M=1/4 (4等分)
k=2/3 → M=1/3 (3等分)
k=1 → M=1
k=2 → M=7 (7等分)
となる.
0<k<1のときはもとの三角形より小さくなり,k=1/2のとき最小値1/4をとる.k>1のときはもとの三角形より大きくなり,k=2のときには7倍になるが,与えられた三角形の各辺を逆方向に延ばすと大きな三角形の対辺を1:2に内分する点と交わるのである.
[1]さらに調べてみたところ,一般に与えられた三角形の各辺をλ:1,μ:1,ν:1に分ける位置に点をとって対頂点と結んで作った三角形の面積は,もとの三角形の面積の
M=(λμν−1)^2/(λμ+λ+1)(μν+μ+1)(νλ+ν+1)
倍に等しくなる.
λ=μ=νの場合,
M=(λ^3−1)^2/(λ^2+λ+1)^3=(λ−1)^3/(λ^3−1)
倍に等しくなる.λ=μ=ν=2(k=1/3)のとき1/7.
[2]与えられた三角形の各辺をλ:1,μ:1,ν:1に分ける位置に点をとって点同士を結んで作った三角形の面積は,もとの三角形の面積の
M=(λμν+1)/(λ+1)(μ+1)(ν+1)
倍に等しくなる.
(証)1/(λ+1)・μ/(μ+1)+1/(μ+1)・ν/(ν+1)+1/(ν+1)・λ/(λ+1)=1−(λμν+1)/(λ+1)(μ+1)(ν+1)
λ=μ=νの場合,
M=(λ^3+1)/(λ+1)^3
倍に等しくなる.λ=μ=ν=2(k=1/3)のとき1/3.
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[1]メネラウスの定理
直線が△ABCの辺またはその延長と,それぞれP,Q,Rで交わるとき
AP/PB・BQ/QC・CR/RA=1
が成り立つ.逆に,
AP/PB・BQ/QC・CR/RA=1
が成り立てば,P,Q,Rは1直線上にある.
[2]チェバの定理
△ABCの辺またはその延長上にない点Oをとる.頂点A,B,Cと点Oを結ぶ直線が△ABCの辺またはその延長とそれぞれP,Q,Rで交わるとき
AR/RB・BP/PC・CQ/QA=1
が成り立つ.逆に,
AR/RB・BP/PC・CQ/QA=1
が成り立てば,AP,BQ,CRは1点で交わる.
2つの定理は一見似たような定理ですが,メネラウスの定理は「3点が1直線上にある」ことを,チェバの定理は「3直線が1点で交わる」ことを示しています.そして,・・・
『与えられた三角形の各辺をλ:1,μ:1,ν:1に分ける位置に点をとる場合,3直線が1点で交わるための必要十分条件はλμν=1(チェバの定理),3点が同一直線上にあるための必要十分条件はλμν=−1(メネラウスの定理)である.』
なお,メネラウスとチェバの生存時期も1500年以上違い,その間何もなされませんでした.不思議さを感じてしまいます.
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