■初等幾何の楽しみ(その128)

[Q]外円内に甲乙乙の3円が,丙円を取り巻いて内外接している.

  (甲)

  (丙)

  (乙乙)

外円の直径は40寸,甲円の直径は丙円の直径の4倍のとき,丙円の直径を求めよという問題に対しては,デカルトの4円定理でもよいのだが,オイラー・フース型定理を用いることにする.

 n=3のとき,s+1/s=14.外円の直径は40寸(R=20)であるから,

  d^2=r^2−rR(s+1/s)+R^2=r^2−280r+400

 また,題意より

  R−d−r=8r

  d=20−9r

  d^2=81r^2−360r+400

 これより

  80r^2−80r=0

  r=1   (解は2r)

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【1】デカルトの4円定理(1643年)

 曲率(半径の逆数)をa,b,c,dとおくと,平面上の互いに接し合う4つの円の間に関係式

  2(a^2+b^2+c^2+d^2)=(a+b+c+d)^2

が成り立つ(ひとつの円の内側に他の3円が内接しているときが負号をつける).

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【2】デカルトの4円定理の応用

 デカルトの4円定理を用いて,

[Q]外円内に甲乙乙の3円が,丙円を取り巻いて内外接している.

  (甲)

  (丙)

  (乙乙)

外円の直径は40寸,甲円の直径は丙円の直径の4倍のとき,丙円の直径を求めよという問題を解いてみよう.

 甲円の曲率をa,乙円の曲率をbとすると,丙円の曲率は4a.デカルトの4円定理において,a,b,b,4aとおくと

2(a^2+b^2+b^2+16a^2)=(a+b+b+4a)^2

  9a^2−20ab=0

  9a−20b=0

  a,b,b,−1/20

とおくと,

2(a^2+b^2+b^2+(1/20)^2)=(a+b+b−1/20)^2

  400a^2−1600ab+40a+80b+1=0

  9a−80b=0を代入すると

  400a^2−720a^2+40a+36a+1=0

  −320a^2+76a+1=0,a=1/4,r=1

 答えは一致したが,デカルトの4円定理よりはオイラー・フース型定理を用いたほうが簡単である.

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