■0^0は不定形である

  「0^0はもともと不定形である」

(理由)0^0は略記号で,正式にはlimx^y  (x→0,y→0)である.この対数をとればlog(x^y)=y・logxであって,これは

  0×(−∞)型

の不定形である」(つまり,xとyとの0への近づき方によって,どのような値にもなる).

 ただし,t・logtはt→0のとき0となる.したがって,

  limx^x=1  (x→0)

である,

 一般的に,xとyとの0への近づき方具合がほぼ同程度ならy・logxは0に近づき,x^yは1に近づく.したがって,0^0=1と解釈してよい場面は多いが,いつもそうではない.

(例)a>1とし,x=a^ーn,y=1/nとすればx^y=xa^-1であって,この0^0は1/aである.(0〜1の任意の値になり得る)

 0^0は1^∞とともに大変に誤りやすい「不定形」(極限値)です.もともと不定形であって,学会で定めるような対象ではありません.(たぶん学術的会合で質問があって,大先生が「不定形」と質問したのか?   (一松信)

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