■n次元の立方体と直角三角錐(その102)

 しばらくの間,このシリーズを中断していたので、まずはおさらいから始めたいと思う.

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 n次元の立方体(頂点数2^n)の全頂点からは一斉に2^n個切り落として残る図形=n次元の正軸体(頂点数2n)の全頂点からは一斉に2n個切り落として残る図形を考えてみよう.

 空間充填2^n+2n面体は

[1]n次元立方体を超平面:x1+・・・+xn=n/2で切頂する

あるいは

[2]n次元正軸体を超平面:x1=2/nで切頂する

ことによって得られる.nが偶数のとき,[1]の超平面は点Pn/2,[2]の超平面は点Pn/2-1を通る.

 現在わかっているのは

 2次元:(f0,f1)=(4,4)

 3次元:(f0,f1,f2)=(24,36,14)=切頂八面体

 4次元:(f0,f1,f2,f3)=(24,96,96,24)=正24細胞体の3つだけであり,また,nのパリティー(奇数か偶数か)によって違いを生ずるということである.すなわち,nが偶数か奇数かのケースにわける必要がある.

 また,f1=n/2・f0も成り立たないから単純多面体ではないし,置換多面体にみられた逐次構造も有していないようにみえるが,本当だろうか?

 正軸体の切頂面となる(n−1)次元面の頂点は,

[1]n=3のとき,

  (x,x/2,0)

[2]n=4のとき,

  (x,x,0,0)

[3]n=5のとき,

  (x,x,x/2,0,0)

[4]n=6のとき,

  (x,x,x,0,0,0)

[5]n=7のとき,

  (x,x,x,x/2,0,0,0)

[6]n=8のとき,

  (x,x,x,x,0,0,0,0)

となる(はずである).

 したがって,nが奇数のとき,

  (x,x/2,0)

  (x,{x,x/2,0}0)

  (x,{x,x,x/2,0,0},0)

nが偶数のとき,

  (x,{x,0},0)

  (x,{x,x,0,0},0)

  (x,{x,x,x,0,0,0},0)

のような逐次構造が存在するかもしれないのである.

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