■平行体の体積とグラミアン(その39)

 置換多面体の体積公式

  Vn=(N0Vn-1H0+N1Vn-2H1+・・・+Nn-2Vn-2Hn-2+Nn-1Vn-1Hn-1)/n

から,

  V1=1,V2=3√3/2,V3=8√2

 同様に,正軸体版の体積公式

  Λn=(N0Λn-1H0+N1Λn-2H1+・・・+Nn-2Vn-2Hn-2+Nn-1Vn-1Hn-1)/n

からは,

  Λ1=1,Λ2=2(√2+1),Λ3=22+14√2

と特殊解は計算できるが,一般のnについての体積公式の導出は難しいものと思われる.

 n→∞のとき,

  Vn-1/Vn→α,Vn-2/Vn→0,Vn-3/Vn→0,・・・

というラフな仮定をおいて,大雑把に置換多面体の体積を計算してみることも考えられなくもないが,それよりは(n+1,2)=n(n+1)/2次立方体のn次元空間の正射影として,体積計算する方法はないものだろうか?

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 0次元の点がまっすぐ動くと1次元の線分になる.1次元の線分が平面の上で自分と直角の方向に同じ長さだけ動くと,2次元の正方形になる.2次元の正方形が3次元空間の中で自分と直角方向に1辺の長さだけ動くと,3次元の立方体となる.この3次元立方体が4次元空間の中で自分と直角方向に1辺の長さだけ動くと,同じ大きさの8個の立方体からなる4次元の立方体(正8胞体)になる・・・.

 こうしてn次元立方体ができあがるが,n次元立方体(正2n胞体)を2次元平面上へ正2n角形を外殻とするように直投影することができるが,ここではn次元空間上にアフィン射影することを考える.

 n次元立方体は,

  頂点数: 2^n,

  稜数:  2^(n-1)n,

  四角形数:2^(n-3)n(n−1)

からなっている.このうち,頂点は(±1,±1,・・・,±1)であるから,確かに2^n個あることがわかるだろう.ここで考えるべきことは,n次元立方体の各頂点からはn本の稜がでるということである.

 n=8の場合,頂点

  (+1,−1,+1,+1,−1,−1,+1,−1)

の稜の対蹠点の座標は

  (−1,−1,+1,+1,−1,−1,+1,−1)

  (+1,+1,+1,+1,−1,−1,+1,−1)

  (+1,−1,−1,+1,−1,−1,+1,−1)

  (+1,−1,+1,−1,−1,−1,+1,−1)

  (+1,−1,+1,+1,+1,−1,+1,−1)

  (+1,−1,+1,+1,−1,+1,+1,−1)

  (+1,−1,+1,+1,−1,−1,−1,−1)

  (+1,−1,+1,+1,−1,−1,+1,+1)

となる.

 n次元立方体の頂点は

  (±1,±1,・・・,±1)

であるが,原点を(−1,−1,・・・,−1)に移し,1辺の長さを1にすると

  (0,0,・・・,0,0)

  (1,0,・・・,0,0)

  (1,1,・・・,0,0)

  ・・・・・・・・・・・・・

  (1,1,・・・,1,0)

  (1,1,・・・,1,1)

の置換でも与えられる.以下,宿題として遺すことにする.

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