単位円に内接する正n角形(P1,・・・,Pn)があるとき,単位円上の動点Qに対しても,m乗和
Σ(1,n)|QPj|^m
を計算する.
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Pj(cos2πj/n,sin2πj/n)
Q(cosθ,sinθ)
QPj^2=2−2cos(2πj/n−θ)=4sin^2(πj/n−θ/2)
Σ|QPj|^m=Σ2^msin^m(πj/n−θ/2)
ここで,この式から三角関数を消去する.
Θ=πj/n−θ/2
sinΘ=(exp(iΘ)−exp(−iΘ))/2i
[補]この手はオイラー・フースの定理を拡張する際にも用いた.オイラー・フースの定理の拡張では,元の式
xicosθi+yisinθi=ci
xi^2+(yi−ci)^2=γi^2
から座標変数,三角関数を消去することによって得られる.
sin^mΘ={(exp(iΘ)−exp(−iΘ))/2i}^m
=(−1)^m/2/2^mΣ(−1)^k・mCkexp(kiΘ)exp(−(m−k)iΘ)
Σ|QPj|^m=Σ(−1)^m/2+k・mCkΣexp((2k−m)iΘ)
=Σ(−1)^m/2+k・mCkexp(−(2k−m)iθ/2)Σexp((2k−m)iπj/n)
mが奇数のときは
(−1)^1/2=i
(−1)^3/2=−i
(−1)^5/2=i,・・・
であるが,簡単な形になりそうにないので,mが偶数の場合を考えることにする.
[1]k≠m/2のとき,
Σexp((2k−m)iπj/n)
=(exp((2k−m)iπ)−1)/(exp((2k−m)iπ/n)−1)・exp((2k−m)iπ/n)=0
[2]k=m/2のとき,Σexp((2k−m)iπj/n)=1
より,
Σ|QPj|^m=mCm/2・n
となる.
mが偶数のとき,
Σ|QPj|^m=mCm/2・n
が成り立つことをみたが,(ただしn>m/2)という条件がどこから派生するのかは明らかにならなかった.
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