■平行体の体積とグラミアン(その31)

 平行体の体積は

[1]漸化式

[2]行列式(グラミアン)

で与えられる.

[1]では,底体積は漸化式から求められるので,あとは底面までの距離がわかればよいことになる.底体積を直接計算することは可能であるが,気にかかる点はまだある.正軸体版の場合,nが奇数のときの中央項はn−[(n+1)/2]次置換多面体柱柱と正軸体版柱柱になるが1:1でよいのかどうか.

[2]では平行体を分解して,その体積がグラミアンで与えられることを用いればよい.とはいえ,効率的な体積計算法は十中八九ないと思われる.地道に計算を続行するしかない.計算力が鈍ってきている昨今,この計算が本当に正しく遂行されるかについてはまったく自信がもてない.

 ただし,分解体は2次元では正方形,3次元では立方体と同相の単純多面体になり,それぞれ,2!,3!個の「直角三角錐」に分解することができる.n次元の場合はn!個になるが,それらを等積変形して直方体が構成できれば,それに越したことはない(可能かどうか).

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 体積公式は「漸化式」の形で求められるが,だれも正解を知らない問題であり,正しいかどうかについて確かめる手段が必要になる.漸化式に対して,[2]の計量的な計算は(それほど効率的ではないが)正攻法であると思う.

 [1][2]の2通りに計算することは家計簿つけのシーンに喩えられると思う.まず行ごとの合計を求めてそれを総計する.次に列ごとの合計を求めてそれを総計する.そして計算が正しければその2つの計算結果は一致するというわけである.

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