【1】3^n−1胞体の計量
n次元正軸体の頂点の座標は
(1,0,・・・,0)
(0,1,・・・,0)
・・・・・・・・・・・
(0,0,・・・,1)
で与えられるから,基本単体の座標はk次元面の重心をとることによって,
p0(1,0,・・・,0)
p1(1/2,1/2,0,・・・,0)
p2(1/3,1/3,1/3,0,・・・,0)
・・・・・・・・・・・・・・・・
pn-1(1/n,1/n,1/n,・・・,1/n)
pn(0,0,・・・,0)
3次元の場合,x≧y≧z≧0なる点P(x,y,z)が与えられたとき,ずべての稜線の長さが等しくなるのは,点P(x,y,z)からx=y平面,y=z平面,z=0平面までの距離を等しくとると
(x−y)/√2=(y−z)/√2=z
→ y=z+√2z
x=y+√2z=z+2√2z
これらは,x+y+z=1上の点であるから代入すると,
3z+3√2z=1 → z=1/(3+3√2)
また,点P(x,y,z)のz=0平面に対する鏡映は(x,y,−z)であるから,辺の長さは2z.
4次元の場合は,点P(x,y,z,w)からx=y平面,y=z平面,z=w平面,w=0平面までの距離を等しくとると
(x−y)/√2=(y−z)/√2=(z−w)/√2=w
→ z=w+√2w
y=z+√2w=w+2√2w
x=y+√2w=w+3√2w
これらは,x+y+z=1上の点であるから代入すると,
4w+6√2w=1 → w=1/(4+6√2)
また,点P(x,y,z,w)のw=0平面に対する鏡映は(x,y,z,−w)であるから,辺の長さは2w
一般には,S=n(n−1)/2として
→ nω+S√2ω=1,ω=1/(n+S√2)
x=(1+(n−1)√2)ω,y=(1+(n−2)√2)ω,z=(1+(n−3)√2)ω,・・・,ω=ω
となることが理解される.
この点からx=y平面,y=z平面,z=w平面,・・・,w=0平面に下ろした垂線の足は,
((x+y)/2,(x+y)/2,z,,・・・,w)
(x,(y+z)/2,(y+z)/2,,・・・,w)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(x,y,z,・・・・・・・・・・・・・・・・,0)
となる.
また,3次元の場合,x≧y≧z≧0なる点P(x,y,z)が与えられたとき,すべての面までの距離を求めてみよう.
[1](1,1,1)方向の六角形(1象限)
(x,y,z)→y=z平面での鏡映(y,z,x)→z=x平面での鏡映(x,z,y)→(z,y,x)→(z,x,y)→(t,x,z).
中心は((x+y+z)/3,(x+y+z)/3,(x+y+z)/3).
[2](1,1,0)方向の四角形(2象限にまたがる)
(x,y,z)→x=y平面での鏡映(y,x,z)→z=0平面での鏡映(y,x,−z)→(x,y,−z).
中心は((x+y)/2,(x+y)/2,0).
[3](1,0,0)方向の八角形(4象限にまたがる)
(x,y,z)→(x,y,−z)→(x,z,−y)→(x,−z,−y)→(x,−y,−z)→(x,−y,z)→(x,−z,−y)→(x,z,y).
中心は(x,0,0).
いくつの象限にまたがるかを含め,一般に
(1,1,・・・,1,1,1)→1通り,1象限
(1,1,・・・,1,1,0)→(n,1)通り,2象限
(1,1,・・・,1,0,0)→(n,2)通り,2^2象限
(1,0,・・・,0,0,0)→(n,n−1)通り,2^n-1象限
一般に,
[a]胞心面までの距離
胞心は(1/n,1/n,・・・,1/n)→1/√n
[b]辺心面までの距離
切稜されていなければ辺心は(1/2,1/2,0,・・・,0)であるが,切稜されているので,中心は
((x+y)/2,(x+y)/2,0,・・・,0).
[c]頂点面までの距離
切頂されていなければ頂点は(1,0,・・・,0)であるが,切頂されているので,中心は(x,0,・・・,0).
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【2】体積の検算
1次元置換多面体は線分,2次元置換多面体は六角形,3次元置換多面体は切頂八面体である.辺の長さを1に規格化すると
V1=1,V2=3√3/2,V3=8√2
同様に1次元正軸体版は線分,2次元正軸体版は正八角形,3次元正軸体版は大菱形立方八面体である.辺の長さを1に規格化すると
Λ1=1,Λ2=2(√2+1),Λ3=22+14√2
3次元の場合,
z=1/(3+3√2)
x=y+√2z=z+2√2z=(1+2√2)/(3+3√2)
として,辺の長さは2z,切頂面間距離は2x.辺の長さを1に規格化すると,切頂面間距離は
2x/2z=1+2√2
3次元3^n−1面体は大菱形立方八面体であるが,正八角柱と組み合わせることによって空間充填可能となるから,
(2+2√2)^3=2Λ3+6Λ2=56+40√2
となって一致する.
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大菱形立方八面体は切頂八面体+立方体と組み合わせても空間充填可能である.
3次元の場合,
z=1/(3+3√2)
y=z+√2z
x=y+√2z=z+2√2z
として,辺の長さは2z,四角形までの距離は√2(x+y)/2.辺の長さを1に規格化すると,四角形間距離は
√2(x+y)/2z=(6+2√2)z/2z=3+√2
また,
2x/2z=1+2√2
より
(1+2√2)(4+√2)^2=2Λ3+2V3+6=50+44√2
となって一致する.
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