シュタイナーの定理が使いにくいのは,それに対応するオイラー・フース型定理が与えられていないためである.今回のコラムでは
大円(半径1),小円(半径r),中心間距離d
として,シュタイナーの定理に対応するオイラー・フース型定理を導出する.
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メビウス変換
w=(z+a)/(az+1)
の逆変換は
z=(−w+a)/(aw−1)
である.
s=(1−sin(π/n))/(1+sin(π/n))
とおくと,
α=−(s+a)/(as+1)
β=(−s+a)/(as−1)
である.
これからsを消去する.第1式より
a=−(s+α)/(αs+1)
第2式に代入すると
β=(s(αs+1)+(s+α))/(s(s+α)+(αs+1))
β(2αs+s^2+1)−α(s^2+1)=2s
2αβs+(β−α)(s^2+1)=2s
ここで,
(α+β)/2=d,(β−α)/2=r
より,
α=d−r,β=d+r
を代入すると
d^2−r^2+r(s+1/s)=1
d^2=r^2−r(s+1/s)+1
これがシュタイナーの定理に対応するオイラー・フース型定理である.
もし,d=0ならば
(r−s)(r−1/s)=0
となるが,r=1/sは大円と小円が逆転するのでr=s.また,s<1/sより,rはd=0のとき最大値sをとる.
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