■n次元正多面体の辺と対角線(その73)

  Σ(1,n)|P1Pj|=2cot(π/2n)

  Σ(1,n)|P1Pj|^3=6cot(π/2n)−2cot(3π/2n)

  Σ(1,n)|P1Pj|^5=20cot(π/2n)−10cot(3π/2n)+2cot(5π/2n)

  Σ(1,n)|P1Pj|^7=70cot(π/2n)−42cot(3π/2n)+14cot(5π/2n)−2cot(7π/2n)

はすべて正しい公式であり,n>mといった必要条件も不要である.

 2,6,20,70は中央二項係数(2m,m)であり,偶数乗和

  Σ(1,n)|P1Pj|^2m=(2m,m)n

との類似がみられる.今回のコラムでは奇数乗和の一般式を導出してみることにする.

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  (sinθ)^3=(−sin3θ+3sinθ)/4

  (sinθ)^5=(sin5θ−5sin3θ+10sinθ)/16

  (sinθ)^7=(−sin7θ+7sin5θ−21sin3θ+35sinθ)/64

 一般に

  (sinθ)^2m=1/2^2m-1Σ(0,m-1)(−1)^(m+k)(2m,k)cos(2m−2k)θ

  (sinθ)^2m+1=1/2^2mΣ(0,m)(−1)^(m+k)(2m+1,k)sin(2m+1−2k)θ

 これより

  Σ(1,n)|P1Pj|^2m+1=2Σ(0,m)(−1)^(m+k)(2m+1,k)cot(2m+1−2k)π/2n

となる.

 なお,

  2(2m+1,m)=(2(m+1),m+1)

なので,偶数乗和

  Σ(1,n)|P1Pj|^2m=(2m,m)n

と対比させるためには

  Σ(1,n)|P1Pj|^2m-1=2Σ(0,m-1)(−1)^(m-1+k)(2m−1,k)cot(2m−1−2k)π/2n

  2(2m−1,m−1)=(2m,m)

のほうがわかりやしかもしれない.

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