■n次元正多面体の辺と対角線(その71)

 偶数乗和

  Σ(1,n)|P1Pj|^2m=(2m,m)n

が成り立つためには,n>mであることが必要となったが,奇数乗和

  Σ(1,n)|P1Pj|=2cot(π/2n)

  Σ(1,n)|P1Pj|^3=6cot(π/2n)−2cot(3π/2n)

  Σ(1,n)|P1Pj|^5=20cot(π/2n)−10cot(3π/2n)+2cot(5π/2n)

  Σ(1,n)|P1Pj|^7=70cot(π/2n)−42cot(3π/2n)+14cot(5π/2n)−2cot(7π/2n)

の場合について調べてみたい.

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[Q]正n角形が半径1の円に内接している.ひとつの頂点を起点とする辺と対角線の長さの和を求めよ.

[A]n=3のときは対角線をもたないので,辺の長さ√3→和=2√3.n=4のとき,この単位円に内接するのは正方形であるから,可能な長さは辺の長さ√2と対角線の長さ2である→和=2√2+2.n=5のときは簡単ではないので省略するが,n=6のとき,辺の長さ1と対角線の長さ√3と2である→和=2・1+2√3+2=4+2√3

 特別な場合としてn=2のときは,正n角形は直径に退化する.直径の長さ2であるから,和=2となる.一般に対角線や辺の長さは無理数になる.したがって,長さの和も無理数になる.

 これらはすべて

  Σ(1,n)|P1Pj|=2cot(π/2n)

を満たしている.

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[Q]正n角形が半径1の円に内接している.ひとつの頂点を起点とする辺と対角線の長さの3乗和を求めよ.

[A]n=3のときは対角線をもたないので,辺の長さ√3→3乗和=2(√3)^3=6√3.n=4のとき,この単位円に内接するのは正方形であるから,可能な長さは辺の長さ√2と対角線の長さ2である→3乗和=2(√2)^3+2^3=4√2+8.n=5のときは簡単ではないので省略するが,n=6のとき,辺の長さ1と対角線の長さ√3と2である→3乗和=2・1^3+2(√3)^3+2^3=6√3+10.

 特別な場合としてn=2のときは,正n角形は直径に退化する.直径の長さ2であるから,3乗和=2^3=8.

 これらはすべて

  Σ(1,n)|P1Pj|^3=6cot(π/2n)−2cot(3π/2n)

を満たしている.

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[Q]正n角形が半径1の円に内接している.ひとつの頂点を起点とする辺と対角線の長さの5乗和を求めよ.

[A]n=3のときは対角線をもたないので,辺の長さ√3→5乗和=2(√3)^5=18√3.n=4のとき,この単位円に内接するのは正方形であるから,可能な長さは辺の長さ√2と対角線の長さ2である→5乗和=2(√2)^5+2^5=8√2+32.n=5のときは簡単ではないので省略するが,n=6のとき,辺の長さ1と対角線の長さ√3と2である→5乗和=2・1^5+2(√3)^5+2^5=18√3+34.

 特別な場合としてn=2のときは,正n角形は直径に退化する.直径の長さ2であるから,5乗和=2^5=32.

 これらはすべて

  Σ(1,n)|P1Pj|^5=20cot(π/2n)−10cot(3π/2n)+2cot(5π/2n)

を満たしている.

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[Q]正n角形が半径1の円に内接している.ひとつの頂点を起点とする辺と対角線の長さの7乗和を求めよ.

[A]n=3のときは対角線をもたないので,辺の長さ√3→7乗和=2(√3)^5=54√3.n=4のとき,この単位円に内接するのは正方形であるから,可能な長さは辺の長さ√2と対角線の長さ2である→7乗和=2(√2)^7+2^7=16√2+128.n=5のときは簡単ではないので省略するが,n=6のとき,辺の長さ1と対角線の長さ√3と2である→7乗和=2・1^7+2(√3)^7+2^7=54√3+130.

 特別な場合としてn=2のときは,正n角形は直径に退化する.直径の長さ2であるから,7乗和=2^7=128.

 これらはすべて

  Σ(1,n)|P1Pj|^7=70cot(π/2n)−42cot(3π/2n)+14cot(5π/2n)−2cot(7π/2n)

を満たしている.

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【1】まとめ

  Σ(1,n)|P1Pj|=2cot(π/2n)

  Σ(1,n)|P1Pj|^3=6cot(π/2n)−2cot(3π/2n)

  Σ(1,n)|P1Pj|^5=20cot(π/2n)−10cot(3π/2n)+2cot(5π/2n)

  Σ(1,n)|P1Pj|^7=70cot(π/2n)−42cot(3π/2n)+14cot(5π/2n)−2cot(7π/2n)

はすべて正しい公式であり,n>mといった必要条件も不要である.

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