「良い配置」とは任意の次元の半径1の球面上の有限個の点集合Kで,多項式f(x)の積分がKの点上の値の平均値に等しい集合です.f(x)として,特定の頂点からの距離の2乗,4乗,・・・とした場合,それを各頂点について加えた形が
Σ(1,n)|QPj|^2m=(2m,m)n (n>m)
に相当します.すなわち,単位円上の平均と内接正n角形の頂点での平均は等しいというわけです.
n>mを改良するには,単位円上の動点Qが円弧上の中点や4分点のときの値を用います,これは正2n角形,正4n角形の対角線を考えることと同値なため,n>m/2,n>m/4に改良されることは当たり前ともいえます.
ところで,フーリエ解析と呼ばれる関数展開は,19世紀初頭,フランスの数学者・物理学者フーリエが熱伝導に関する著作の中で,任意の周期関数y=f(x)がサインとコサインの項の和,すなわち,単振動(調和振動ともいう)の和に分解されることを証明したことに始まります.
f(x)が周期2πをもつ周期関数であるならば,
y=f(x)=a0+a1cosx+b1sinx+a2cos2x+b2sin2x+・・・+akcoskx+bksinkx+・・・
と展開することができます.このような形をした関数を三角多項式といいます.この式は,もとの関数f(x)が基本波成分a1cosx+b1sinxとその高調波成分とを合成したものとして表わせることを意味し,aj,bjはその成分の寄与率を示しています.寄与率は別の言い方をすれば各成分の含有率であり,重みといってもよいでしょう.
f(x)が滑らかであれば,比較的少ない項でこの級数を打ち切っても,それはよくf(x)を近似しますから,有限個の三角級数により関数近似すること(有限三角級数展開)が可能です.
y=a0+a1cosx+b1sinx+a2cos2x+b2sin2x+・・・+akcoskx+bksinkx
すなわち,フーリエ解析ではあまり短い周期をもつ成分は無視しても構いません.なぜかというと短い周期をもつ成分を無視して元の図形を再現するとその周期に相当した微細な構造が失われるだけで,無視してしまっても大して悪影響はないからです.また,周期関数f(x)の周期は2πですが,周期がTの関数はω=2π/T,x=ωtの変換によって新しい変数tを考えれば,tについての周期2πをもつ関数に変換されますから,上式の形で一般化して論ずることが可能になります.
Σ(1,n)|QPj|^2m=(2m,m)n (n>m)
は単位円上の周期関数ですが,これが有限フーリエ級数の形に分解できるというわけです.
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