レムニスケート周長
∫1/(1-x^4)^(1/2)dx
の5等分問題を扱うには,以前に行った定式化ではうまくいきそうになく,ワイエルシュトラスの標準形
∫(∞,0)du/(4u^2-g2u-g3)^(1/2)
の特別な場合として扱ったほうが容易かもしれません.しかし,それとで加法定理が格段と簡単になるわけではありません.
今回のコラムでは,周長が
∫1/(1-x)^(1/2)dx
で表される曲線(カージオイド)のn等分問題について考えてみます.
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【1】初等関数の積分
∫1/(1-x)^(1/2)dx=-2(1-x^)^(1/2)+C
∫(0,1)1/(1-x)^(1/2)dx=2
より,n等分点は
-2(1-x)^(1/2)+2=2/n
x=1-(1-1/n)^2=(2n-1)/n^2=c
で与えられる.
ここで注意しておきたいのはcは2等分点のx座標ではなく,極座標(r,θ)における動径rであるということである.カージオイドの場合,
x^(1/2)=cos(1/2θ)
1/2θ=arccos(r^1/2)
θ=2arccos(r^1/2)
x=rcosθ=rcos(2arccos(r^1/2))
y=rsinθ=rsin(2arccos(r^1/2))
となる.
2等分点,3等分点,5等分点に対応するカージオイド曲線上の点は以下の如くである.
c (x,y)
n=2 → 0.75 → (0.375,0.6495193)
n=3 → 0.555556 → (0.0617284,0.552115)
n=5 → 0.36 → (-0.1008,0.3456)
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【2】カージオイドのn等分点
(その53)ではレムニスケート,(その54)では円のn等分点を紹介したが,今回のコラムではカージオイドの等分点を掲載する.
[1]n=2(r=3/4)
[2]n=3(r=5/9)
[3]n=5(r=9/25)
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