(その37)は同心円の場合であったが,今回のコラムでは非同心円の場合の双心n角形を扱ってみる.
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【1】オイラーの定理
ポンスレーの定理においてn=3の場合,一方の円(半径R)に内接し,もう一方の円(半径r)に外接する三角形は無数にある.これが成り立つための条件は2つの円の中心間距離をdとして,
R^2−2Rr=d^2
となることである(オイラーの定理).2つの円が同心円ならばd=0であるから,R=2rが成り立つ.
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【2】フースの定理
四角形やそれ以上のn角形についても同様の定理が成り立ち,ひとつの円に内接し,他の円に外接する四(n)角形は無数にある.オイラーの定理のn角形版として,フースの定理が知られている.たとえば,内接円と外接円の両方をもつ四角形(双心四角形)では,
2r^2(R^2+d^2)=(R^2−d^2)^2 (フースの定理)
が成り立つ.2つの円が同心円ならばd=0であるから,R=√2rが成り立つ.
双心四角形の2組の対辺上の内接円の接点を結ぶ線分は互いに直交する.
また,フースは双心五角形,六角形,七角形,八角形に関する同様の公式も見つけている.
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