任意の大きさの円を1点で交わるように描く.任意の円周上の点と2円の交点を結ぶ直線とが隣の円周と交わる点をとる.この作業を繰り返すと最初の点に戻ってきて三角形が閉じる.
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この定理は「かなめの定理」と呼ばれていて,3円の交点はミケル点である.共通の1点を通る任意の3円を描いたとき,頂点がそれぞれの円周上にあり,辺が2円の交点を通る三角形は無限にあることになる.一松信先生からのお手紙によると,・・・
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3個の円の場合は割りと有名な問題のようです.
「1点Oで交わる3個の円において,隣同士の交点をP,Q,Rとする.第1の円の外側にある点AからAPを引いて,その延長が第2の円と交わる点をBとする.BからBQを引いて,その延長が第3の円と交わる点をCとすると,ARCは同一直線上にある.」
これは円に内接する四角形の性質により,
∠ARO=∠OPB=∠OQC=180°−∠ORC
が成立し,∠ARO+∠ORC=180°ですから,ARCが一直線上にある,という形で容易に示すことができます.
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4個の円の場合も同様です.
∠ASO=∠BPO=∠OQC=∠QRD=∠180°−∠OSD
すなわち∠ASO+∠OSD=180°となり,ASDは同一直線上にあります.円の個数がもっと多くとも,同様の論法で説明できます.
「円に内接する四角形の分割できる」はこれを別の形で述べたものと思います.次のように述べた方がよいかもしれません.
「ΔABCにおいて,辺AB,ACと交わるように円AQPを描く.その上に点Sを(P,Qに対してAと反対側に)とり,B,Q,Sを通る円を描き,BCとの交点をRとする.このとき,P,S,R,Cは同一円周上にある.」
証明も上と本質的に同じです.
∠QSP=180°−∠A
∠QSR=180°−∠B
から,
∠PSR=360°−(∠QSP+∠QSR)=360°−(180°−∠A+180°−∠B)=∠A+∠B=180°−∠C
となり,PSRCは円に内接します.
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下図は3円の心定理? 共通弦定理? (中川宏)
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