球面上のn点集合の問題に対しては,
[1]正多面体
[2]準正多面体,JZ多面体などの正多角形面多面体
[3]セントロイドと外接球の中心が一致する多面体
[4]セントロイドと外接球の中心が一致しない多面体
[5]頂点が退化せず,2次元に退化した多面体
[6]頂点が退化した多面体
[7]1点にまで退化した多面体
など,いろいろな制約条件が考えられるところである.
さらに,2次元正多面体のみで成り立つ定理や任意の次元のセントロイドと外接球の中心が一致する多面体で成り立つ定理があり,かなり紛らわしいものになる.
任意の次元の球に内接する多面体で,セントロイドと外接球の中心が一致するとき,ひとつの頂点から他のn−1個の頂点までの距離の平方和について,
Σd^2=2n
が成立するが,1点に退化した多面体ではΣd^2→0,頂点が退化した多面体ではΠd→0となる.
ここでは,任意の次元の球に内接する多面体で,セントロイドと外接球の中心が一致するとき,ひとつの頂点から他のn−1個の頂点までの距離の積について考えてみたい.
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【1】不等式・再再考
相加平均・相乗平均不等式より,
Σd^2/(n−1)=2n/(n−1)≧(Πd^2)^1/(n-1)=(Πd)^2/(n-1)
したがって,
Πd≦(2n/(n−1))^(n-1)/2
であるが,正単体を除き,d1=d2=・・・=dnにはならないので,上限はもっと小さくなる.
また,セントロイドと外接球の中心が一致するという条件ではdj→0となりうるので,下限は0に近づくことがわかるだろう.
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【2】まとめ
2次元多角形においては
Πdj^2≦n^2
3次元以上の正多面体に対しては
Πdj^2≧n^2
また,球面上に点を均等に配置するミニマックス問題
[1]正多面体
[2]準正多面体,JZ多面体などの正多角形面多面体
に対しては,上限
Πd≦(2n/(n−1))^(n-1)/2
をもっと引き下げることができると思われる.
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