[1]任意の大きさの円を1点で交わるように描く.任意の円周上の点と2円の交点を結ぶ直線とが隣の円周と交わる点をとる.この作業を繰り返すと最初の点に戻ってきて三角形が閉じる.
この定理は「かなめの定理」と呼ばれていて,3円の交点はミケル点である.共通の1点を通る任意の3円を描いたとき,頂点がそれぞれの円周上にあり,辺が2円の交点を通る三角形は無限にあることになる.
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[2]ポンスレーの定理
小円を大円の内部におく.大円上の点P0から小円へ接線を引き,大円と交わる点をP1とする.P1から再び小円へ接線を引き,大円と交わる点をP2とする.この2つの円の中間に次々に接する接線列を作る.たいていの場合,最後の交点は最初の点P0と重ならない.しかしときとして完全に重なる場合がある.このとき,最初の点P0をどこに選ぼうとも完全な多角形環をなす.
ポンスレーの定理では楕円積分に帰着させる微分積分学的な証明が知られている.また,ポンスレーの定理は2つの円を2つの楕円に置き換えても成立する.
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[3]オイラーの定理とフースの定理
ポンスレーの定理においてn=3の場合,一方の円(半径R)に内接し,もう一方の円(半径r)に外接する三角形は無数にある.これが成り立つための条件は2つの円の中心間距離をdとして,
R^2−2Rr=d^2
となることである(オイラーの定理).2つの円が同心円ならばd=0であるから,R=2rが成り立つ.
四角形やそれ以上のn角形についても同様の定理が成り立ち,ひとつの円に内接し,他の円に外接する四(n)角形は無数にある.オイラーの定理のn角形版として,フースの定理が知られている.たとえば,内接円と外接円の両方をもつ四角形(双心四角形)では,
2r^2(R^2+d^2)=(R^2−d^2)^2 (フースの定理)
が成り立つ.2つの円が同心円ならばd=0であるから,R=√2rが成り立つ.
双心四角形の2組の対辺上の内接円の接点を結ぶ線分は互いに直交する.また,フースは双心五角形,六角形,七角形,八角形に関する同様の公式も見つけている.
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[4]円の数には関係ないようである.
共通の1点を通る任意のn円を描いたとき,頂点がそれぞれの円周上にあり,辺が2円の交点を通るn角形は無限にあり,ミケル点はクリフォード点とも関連していることになる.
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