本シリーズでは,正接の加法公式
tan(n+1)δ=(tanδ+tannδ)/(1−tanδtannδ)
が用いられているが,正接のn倍角公式は,パスカルの三角形を用いて,次のように書くことができる.
tannα=(nC1tanα−nC3tan^3α+nC5tan^5α−・・・)/(nC0−nC2tan^2α+nC4tan^4α−・・・)
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【1】パスカルの正接三角形
分母・分子の係数は,2項係数の符号が対で交代するパスカルの正接三角形
1
1 1
1 2 −1
1 3 −3 −1
1 4 −6 −4 1
1 5 −10 −10 5 1
の形に並べることができる.
ほとんどの教科書から消えてしまったが,美しい公式である.
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【2】役に立たないかもしれない三角関数公式
以下に,このような公式を紹介する.平面正弦定理では,
sinα:sinβ:sinγ=a/R:b/R:c/R
であるが,球面正弦定理は
sinα:sinβ:sinγ=sin(a/R):sin(b/R):sin(c/R)
で表される.
それに対して,双曲的三角法では,球面正弦定理のRをiRに置き換えることによって,
sinα:sinβ:sinγ=sinh(a/R):sinh(b/R):sinh(c/R)
が得られる.
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