一松信先生よりいいアィデアを教えていただいた.以下,一松先生のコメントです.
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不足の条件を補ったのは宜しいのですが,余弦定理よりもトレミーの定理
「円に内接する四角形の相対する辺の長さの積の和=対角線の積
AB・CD+AD・BC=AC・BD」
を活用した方が簡単と思います.正7角形も同様と思いますが,正9角形は次の通り簡単にできます.
3つとびの対角線zは円に内接する正三角形の1辺に等しいのでz=√3.x^2y^2z^2w^2=9から,xyw=√3・・・(1)
2x^2+2y^2+2z^2+2w^2=18から,x^2+y^2+w^2=6・・・(2)
トレミーの定理から多数の(独立でない)条件式がでるが,P1P2P4P5という内接四角形より,x^2+yw=z^2=3・・・(3)
(1)を代入してx^2+√3/x=3,すなわち
x^3−3x+√3=0
がでます.これは有理数の範囲で因数分解でき素,2次方程式に帰着されないので、定規とコンパスで作図できません.
なお,x=2sinπ/9=0.684040286・・・が,x^3−3x+√3=0の解であることを確かめました.トレミーの定理から他にも
xz+x^2=y^2,y^2+yz=w^2,xy+xw=yz=√3y
などがでますのでy,wもいろいろ表現できると思います.
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余談ですが,和算の開祖関孝和が連立方程式の消去法(今日の終結式に相当)を発見したのは和算の基礎を築いた偉業ですが,当人はしばしばそれを自慢(?)にして,もっと簡単にできる問題もことさら消去法を使って大変高次の複雑な方程式にしてしまった(?)と考えられる場面があるとのことです.余り少数の公式だけにこだわらず,いろいろと工夫なさることをお勧めします.正7角形については改めて考えてみます. 一松信
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