【1】フェルマー数
フェルマー数(2^(2^n)+1)は簡単な漸化式
Fn=(Fn-1−1)^2+1
を満たしています.Fn-1^2はほぼFnと等しくなるというわけです.
また,この式から
Fn−2=Fn-1(Fn-1−1)=・・・=F0F1・・・Fn-1
言い換えれば,Fn−2はそれより小さいすべてのフェルマー数で割り切れることがわかります.
これを用いるとすべてのフェルマー数が互いに素であることを証明することができます.すなわち,(Fn,Fi)=1がすべてのi(0≦i≦n−1)について成り立ちます.このことは任意にi≠jをとったとき,(Fi,Fj)=1と意味するのですが,このことから数列{Fn}を用いて,素数が無限にあることを示すことができます.
(証明)
すべてのFiの素因数を1つずつとりpiと呼べばpはすべて異なるから,素数は無限にあることがわかる.
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【2】フィボナッチ数
フィボナッチ数は漸化式
Fn=Fn-1+Fn-2
に従って,その前の2つの数の合計として順次計算することができて,
1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,・・・
となります.
2=1+1/1
3/2=1+1/(1+1/1)
5/3,8/5,13/8,・・・
Fn+1/Fn=[1:1,・・・,1]
は黄金比に対する近似分数となりますが,これはまた連続するフィボナッチ数は互いに素であることを示しています.
この他にもフィボナッチ数は多くの性質をもっていて,以下にいくつか紹介しておきます.
Fn ・Fn+2 =Fn+1^2−(−1)^n
F1 +F2 +F3 +・・・+Fn =Fn+2 −1
F1 +F3 +F5 +・・・+F2n-1=F2n
F2 +F4 +F6 +・・・+F2n=F2n+1−1
F1^2+F2^2+F3^2+・・・+Fn^2=Fn ・Fn+1
有名な幾何学的パラドックス<64cm^2 =65cm^2 >は,「不思議の国のアリス」の作者であるルイス・キャロルが創ったとも,パズルの大御所であるサム・ロイドが創ったともいわれているパズルです.きっと,いろいろな本でみたことのある方も多いと思います.このトリックは一直線をなすように使われた2つの線分の傾き3/8,5/13の相違がわれわれの視力の限界外となる錯覚を利用したもので,もっと先の数,たとえば8/21とかを使えばより巧妙なトリックになります.公式Fn ・Fn+2 =Fn+1^2−(−1)^n は,3つ並んだフィボナッチ数の真ん中の数の平方は前後の2つの数の積より1大きいか小さいかのどちらかで,このトリックパズルのもとになっています.
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【3】互いに素な確率
1/ζ(2)=6/π^2=0.61
これは無作為に選んだ2つの整数が公約数をもたない(互いに素である)確率に等しい.これはまた,無作為に選んだ2つの整数が2乗因子がない(2乗で割り切れない)確率でもある.
なお,(2,5,8)のように3つあるいはそれ以上の整数があって,それらが共通の因数をもたない確率は1/ζ(k)で与えられる.k=3のとき,0.832である.これはまた,無作為に選んだ3つの整数が3乗因子がない(3乗で割り切れない)確率でもある.k乗で割り切れない確率も1/ζ(k)に近づいていく.
それに対して,(2,5,9)のように3つあるいはそれ以上の整数があって,それらすべての可能な対(k,2)組が互いに素になる確率は,k=3のとき
36/π^4Π(1−1/(p+1)^2)=.28
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