■最大値・最小値・平均値(その6)

 ハーゲン・ポアズイユ流が管の中を流れる流体の数理モデルであるのに対し,クノップ流は溝を流れる流体の数理モデルである(河川の数理モデル).

 もし,クノップ流が管の中を流れる流体についても成り立つ,あるいはもっと一般に,流速vが中心軸からの距離rの関数

  v(r)=P/4ηl・(R^n−r^n)

が成り立つならば抵抗はどうなるのだろうか?   (n=1→クノップ流,n=2→ハーゲン・ポアズイユ流)

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 広義のハーゲン・ポアズイユ流を定義したところで,上記モデルを断面で積分すると

  Q=∫(0,R)2πrv(r)dr=nπP/4(n+2)ηl・R^n+2

  Q=(nπR^n+2/4(n+2)ηl)・P=Ω・P

となり,血流抵抗はR^n+2に反比例する.クノップ流では血流抵抗はR^3に反比例するのである.

 それでは電気抵抗のようにR^2に反比例する流体の数理モデルは何かというと,

  v(r)=a

中心軸からの距離に関わらず,すなわち中心軸でも壁面でも流速一定という完全流体しかないのである.電気は完全流体と考えることができるのである.

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