■4次元正多胞体による空間充填と元素定理(その11)

 一松信先生よりコメントを頂戴した.

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【1】(その6)について

 シュレーフリの記号で(p1,p2,・・・,pn-1)と表されるn次元正多胞体,すなわち,2次元の面が正p1角形,3次元の胞では各頂点に正p1角形がp2個集まり,4次元の胞では3次元の正多胞体(p1,p2)が辺にp3個ずつ集まり・・・において,各頂点形(各頂点に隣接する頂点のなすn−1次元正多胞体)は(p2,p3,・・・,pn-1)で与えられます.その頂点の次数は(p2,p3,・・・,pn-1)の次数です.(その6)の表はそうなっております.

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【2】(その7)について

 正多胞体甲の頂点をうまく結んで,同じ次元の正多胞体乙ができても,必ずしも甲の全頂点をうまく分けて乙の族のどれかに分割できるとは限りません.

 実際,正12面体(頂点数20)>正六面体(頂点数8),4次元の正120胞体(頂点数600)>正8胞体(頂点数16)はそうなっています.だから,頂点数が約数になっていなくても別に矛盾ではないと思います.正8胞体の頂点数16が正120胞体の頂点数600の約数でないから,正120胞体は正8胞体を含まないとまじめに書いた本もありましたが,少々早合点?

 他方,5次元以上で4次元の正120胞体のような「万能正多胞体」が存在しないことも既知の結果です.むしろ3次元,4次元の場合が例外的かもしれません.

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【3】(その9)について

  2^n=2^k・(n+1)

  2^n=2^k・2n

をどうすべきかについてはよくわかりません.少々無理な類推(?)かもしれないという気もします.

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