3次元立方体の頂点をひとつおきに結べば,正4面体ができる.また,4次元超立方体の頂点をひとつおきに結べば,正16胞体ができる.
実は,超立方体の頂点をひとつおきにとると別の正多面体になるのは3次元・4次元の特殊性である(5次元以上の空間では正多面体ではなく,1種の準正多面体になる).
それでは,n(≧5)次元超立方体から適当に頂点を選べば実際に正単体,正軸体を構成することはできるのだろうか? 今回のコラムでは十分条件は後回しとして,まず,必要条件を確認してみることにしよう.
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【1】正単体の場合
正n+1胞体の対角線の長さが正2n胞体の対角線のいずれかに等しくなるのは2(n+1)=4kのとき,すなわち,nが奇数次元のときである.
k=(n+1)/2
このとき
Nk=nCk≧n=nC1
であることが必要であるが,この必要条件は満たされる.
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【2】正軸体の場合
正2^n胞体の対角線の長さが正2n胞体の対角線のいずれかに等しくなるのは2n=4kのとき,すなわち,nが偶数次元のときである.
k=n/2
このとき
Nk=nCk≧2(n−1)
であることが必要であるが,ウォリスの公式:
√π〜(n!)^22^2n/(2n)!√n
√nπ〜(n!)^22^2n/(2n)!
より,nが大きいとき
(2k)!/(k!)^2〜2^2k/√kπ≧2(2k−1)
より,この必要条件も満たされる.
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