天秤の両方の皿を使って,nグラム(nは任意の正の整数)のものを量る問題では,
1,2,2^2,2^3,2^4,・・・
グラムでなく
1,3,3^2,3^3,3^4,・・・
グラムのおもりを使えばよいことはよく知られている.
たとえば,10グラムは同じ皿に1グラムと9グラムのおもりを置けばはかることができる(10=1+3^2),73グラムは同じ皿に9グラムのおもりを置けば1グラムと81グラムのおもりを使ってはかることができる(73+3^2=1+3^4).
[1]1,2,2^2,2^3,2^4,・・・グラムのおもりが1個ずつあるとき(2進法)
[2]1,3,3^2,3^3,3^4,・・・グラムのおもりが2個ずつあるとき(3進法)
すべての自然数(グラム)が可能になる=どんな整数も2のベキの和,3のベキの和として表せる.
[3]1,3,3^2,3^3,3^4,・・・グラムのおもりが1個ずつあるとき
は,おもりを片方の皿に載せるやり方では2,5,6グラムなどの重さを計ることはできないが,おもりを両方の皿に振り分けることを許せばどんな重さをも計ることができるのである.また,その際,おもりの選び方は1通りである.
=どんな整数も3のベキの和と差によって表せる.
任意の正の整数nに対して,そのnを異なる3の累乗の和と差で表す問題であるが,2進数のように数字2を許さない代わりに,数字−1を認めている.母関数を使ってアプローチすると,一般に,母関数に関する美しい恒等式
Π(1+x^(3^n)+x^-(3^n))=Σx^n
が成り立つ.
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もっと詳しくいうと,
1,3,3^2,3^3,3^4,・・・,3^r
のおもりによって,1から
1+3+3^2+・・・+3^r=(3^(r+1)−1)/2
グラムまでのすべての整数の重さを量ることができ,しかもそれが唯一の方法であるという.
したがって,
[Q]1からnグラムまで全部はかれるようにするには最低何個の分銅が必要だろうか?
に対する答えは
[A]3^r≦nとなる最大の指数をrとすると,
1,3,3^2,3^3,3^4,・・・,3^r
の高々r+1個しか必要としない.
n=4→r=2,1+3
n=13→r=3,1+3+9
n=40→r=4,1+3+9+27
n=121→r=5,1+3+9+27+81
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