詐欺ジョンソン・ザルガラー多面体の計量をきっかけに,ゴールドバーグの14面体について再考してみることにしました.(その1)で行った数値計算には約1°の狂いがあったからです.
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【1】ゴールドバーグの14面体の計量(再考)
5^126^2型のねじれ重角錐台は一意には決まりません.単位球に外接し,さらに球の中心と各面の重心を結ぶ直線がその面と直交するという条件をつけてみましょう.
ねじれ重角錐(n^25^2n)の五角形の頂点をA,辺CDが正n角形と組み合わさる辺とします.そして,空間座標を
A(0,y3,z3)
B(−x2,y2,z2)
C(−x1,y1,1)
D(x1,y1,1)
E(x2,y2,z2)
また,放射線の中心を
F(0,0,z0)にとります(z3=−z2).
5角形面の重心は
G(0,Y,Z)
Y=(2y1+2y2+y3)/5,Z=(2z1+2z2+z3)/5
で与えられます.
ここで∠OFA=θとすると
y1/(z0−1)=y2/(z0−z2)=y3/(z0−z3)
=Y/(z0−Z)=Z/Y=(y2+y3)/2z0=tanθ
z0=1/sinθ,Y=cosθ,Z=sinθ
また,
x1/y1=x2/y2=tan(π/n)
x2/(y2+y3)=tan(π/2n)
さらに
y1^2=(Y−y1)^2+(Z−1)^2
より,
y1=(1−sinθ)/cosθ
y2+y3=2z0tanθ=2/cosθ
x2=(y2+y3)tan(π/2n)=2tan(π/2n)/cosθ
y2=x2/tan(π/n)=2tan(π/2n)/cosθtan(π/n)
y3=2z0tanθ−y2
Y=(2y1+2y2+y3)/5
=(2y1+y2+2z0tanθ)/5=cosθ
に代入すると
2(1−sinθ)/cosθ+2tan(π/2n)/cosθtan(π/n)+2/cosθ=5cosθ
に帰着されます.これはcosθに関する4次方程式になり,数値解は
n=4のとき,θ=28.20°
n=5のとき,θ=26.56°
n=6のとき,θ=25.66°
で与えられます.
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【2】原因は何処に?
M. Goldberg: The isoperimetric problem for polyhedra, Tohoku Math. J. 40, 226-236(1935)
の数値解とは約1°の差がありますが,その原因はここでは二面角の補角∠OFA=θも求めているのに対し,論文では稜面角の補角∠OFC=φを求めているのではないかと思い当たりました.
tanθ=y1/(z0−1)
tanφ=y1/(z0−1)cos(π/n)=tanθ/cos(π/n)
ところが,n=6のとき,θ=25.66°→φ=29.56°となって,どうやら原因は別の所にありそうです.
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