[定理]正n角形が半径1の円に内接している.ひとつの頂点からでるすべての辺と対角線の長さの積は頂点数に等しい.
[Q]n個の頂点(P0,・・・,Pn-1)をもつ正多面体が半径1の円に内接しているとき,Q=Π(1,n-1)|P0Pj|の値を求めよという問題になる.
すなわち,半径1の円に内接する正n角形の一頂点から他のn−1個の頂点への距離の積がnに等しいことは,三角関数で表現すれば
|P0Pk|=2sin(kπ/n)
だから,以下の問題を証明するということになる.
Q=Π(1,n-1)|P0Pj|=n
R=Σ(1,n-1)1/|P0Pj|^2=(n^2−1)/12
[A]Πsinkπ/n=sinπ/n・・・sin(n−1)π/n=n/2^(n-1)
より,Q=nが示される.
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[1]正弦・余弦の積公式
和公式ほどよく知られていないが,正弦・余弦の積公式としていろいろな公式が登場してくる.
Πsinkπ/n=sinπ/n・・・sin(n−1)π/n
=n/2^(n-1)
Πsin(θ+kπ/n)
=sin(θ+π/n)・・・sin(θ+(n−1)π/n)
=sinnθ/2^(n-1)sinθ
ここで,θ→θ−π/2nと置き換えれば
Πsin(θ+(2k−1)π/n)=cosnθ/2^(n-1)
θ=0とおけば
Πsin((2k−1)π/n)=1/2^(n-1)
また,θ=π/2とおけば
Πcoskπ/n=sin(nπ/2)/2^(n-1)
などを導き出すことができる.
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[2]対数微分と微分の繰り返し
サイン関数の積公式
Πsin(x+kπ/n)=sinnθ/2^(n-1)sinθ
から,対数微分により,コタンジェントの和公式
Σcot(x+kπ/n)=ncot(nθ)
さらにこれを微分することによって,サイン関数の平方の逆数の和公式
Σ1/sin^2(x+kπ/n)=n^2/sin^2(nθ)
が得られる.
x→∞とすることによって,
Π(1,n-1)sinkπ/n=n/2^n-1
Σ(1,n-1)1/sin^2kπ/n=(n^2−1)/3
が得られる.
この公式の図形的意味が
Q=Π(1,n-1)|P0Pj|=n
R=Σ(1,n-1)1/|P0Pj|^2=(n^2−1)/12
というわけである.
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[3]複素数平面
複素数平面で表現すれば以下のような証明になります.
ζ=exp(2π/n)
Q=Π(1,n-1)|1−ζ^k|=n
R=Σ(1,n-1)1/|1−ζ^k|^2=(n^2−1)/12
Πsin(x+kπ/n)=sinnθ/2^(n-1)sinθ
も
ζ=exp(π/n)
Π(zζ^k−z^-1ζ^-ーk)=i^(n-1)(z^n−z^-n)
という因数分解公式において,z=exp(ix)とおけば得られます.
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