■平行体の体積とグラミアン(その12)

 5次元正軸体版は10個の4次元正軸体版+40個の3次元正軸体版柱+80個の((2次元正軸体柱)柱=八角柱柱,(2次元置換多面体柱)柱=六角柱柱)+80個の3次元置換多面体柱+32個の4次元置換多面体となるはずである.

 この多面体は正軸体β5あるいは同じことではあるが超立方体γ5を切頂・切稜することによって構成することができる.したがって,超立方体γ5を切頂・切稜すると,32個の4次元置換多面体+80個の3次元置換多面体柱+80個の((2次元置換多面体柱)柱=六角柱柱,(2次元正軸体柱)柱=八角柱柱)+40個の3次元正軸体版柱+10個の4次元正軸体版となって,中央項80個が八角柱柱40個と六角柱柱40個に割り当てられるものと思われる.

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【1】体積公式

 原正多胞体の面数公式を

  置換多面体の場合・・・Nk^(n)=n+1Ck+1

  正軸体版の場合・・・・Nk^(n)=2^(k+1)nCk+1

また,規格化した後のk次元面までの距離をhkとする.

[1]置換多面体の場合

  Vn=N0Vn-1h0/n+N1Vn-2h1/n+・・・+Nn-2Vn-2hn-2/n+Nn-1Vn-1hn-1/n

nが奇数のとき,中央項はn−[(n+1)/2]次置換多面体柱柱・・・になる.

[2]正軸体版の場合

  Λn=N0Λn-1h0/n+N1Λn-2h1/n+・・・+Nn-2Vn-2hn-2/n+Nn-1Vn-1hn-1/n

nが奇数のとき,中央項はn−[(n+1)/2]次置換多面体柱柱・・・と正軸体版柱柱・・・になる.

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【2】底面までの距離

[1]正軸体版の場合

 3次元の場合,x≧y≧z>0なる点P(x,y,z)が与えられたとき,ずべての稜線の長さが等しくなるのは,点P(x,y,z)からx=y平面,y=z平面,z=0平面までの距離を等しくとると

  (x−y)/√2=(y−z)/√2=z

 → y=z+√2z

   x=y+√2z=z+2√2z

これらは,x+y+z=1上の点であるから代入すると,

  3z+3√2z=1 → z=1/(3+3√2)

また,点P(x,y,z)のz=0平面に対する鏡映は(x,y,−z)であるから,辺の長さは2z.

 4次元の場合は,点P(x,y,z,w)からx=y平面,y=z平面,z=w平面,w=0平面までの距離を等しくとると

  (x−y)/√2=(y−z)/√2=(z−w)/√2=w

 → z=w+√2w

   y=z+√2w=w+2√2w

   x=y+√2w=w+3√2w

これらは,x+y+z+w=1上の点であるから代入すると,

  4w+6√2w=1 → w=1/(4+6√2)

また,点P(x,y,z,w)のw=0平面に対する鏡映は(x,y,z,−w)であるから,辺の長さは2w

 一般には,S=n(n−1)/2として

 → nω+S√2ω=1,ω=1/(n+S√2)

   x=(1+(n−1)√2)ω,y=(1+(n−2)√2)ω,z=(1+(n−3)√2)ω,・・・,w=ω,辺の長さは2ω.

[a]胞心面までの距離

 胞心は(1/n,1/n,・・・,1/n)→1/√n

[b]辺心面までの距離

 切稜されていなければ辺心は(1/2,1/2,0,・・・,0)であるが,切稜されているので,中心は

  ((x+y)/2,(x+y)/2,0,・・・,0).

[c]頂点面までの距離

 切頂されていなければ頂点は(1,0,・・・,0)であるが,切頂されているので,中心は(x,0,・・・,0).

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[2]置換多面体の場合

 3次元の場合,全体を1次元あげて4次元正単体の境界多面体

  V1(1,0,0,0)

  V2(0,1,0,0)

  V3(0,0,1,0)

  V4(0,0,0,1)

  x+y+z+w=1

をとるとしよう.

 x≧y≧z≧w≧0なる点P(x,y,z,w)が与えられたとき,ずべての稜線の長さが等しくなるのは,点Pからw=0平面,x=y平面,y=z平面,z=w平面までの距離が等しいときである.点Pをn−1次元境界多面体上の点(w=0)として,点P(x,y,z,0)からx=y平面,y=z平面,z=w平面までの距離を等しくとると

  (x−y)/√2=(y−z)/√2=(z−w)/√2

 → x=3z,y=2z,z=z,w=0

これらは,x+y+z+w=1上の点であるから代入すると,6z=1

 → x=1/2,y=1/3,z=1/6,w=0

一般には,S=n(n+1)/2として

 → x=n/S,y=(n−1)/S,z=(n−2)/s,・・・,w=0

また,点P(x,y,z,w)のx=y平面に対する鏡映は(y,x,z,w)であるから,辺の長さは√2|x−y|=√2/S.

[a]胞心面までの距離

 それぞれの胞心は

  c(A)=(1/n,1/n,・・・,1/n,0)

であるから,それと中心座標

  c(S)=(1/(n+1),・・・,1/(n+1))

の距離を求める.

[b]辺心面までの距離

 切稜されていなければ辺心は(1/2,1/2,0,・・・,0)であるが,切稜されているので,中心は

  ((x+y)/2,(x+y)/2,0,・・・,0).

それと中心座標

  c(S)=(1/(n+1),・・・,1/(n+1))

の距離を求める.

[c]頂点面までの距離

 切頂されていなければ頂点は(1,0,・・・,0)であるが,切頂されているので,中心は(x,0,・・・,0).それと中心座標

  c(S)=(1/(n+1),・・・,1/(n+1))

の距離を求める.

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