高次元正多面体の構成元素数を求めることは可能だろうか? 4次元の場合,正多面体の分解数に上限を設けない「分解合同」では
lδ1+mδ2+nδ3+oδ4+pδ5+qδ6=0 (modπ)
としたが,元素数≧2となって煮えきらない結果しか得られなかった.
発想の転換が必要になったのだが,この段階では正確な値ではなく,元素の最大分割数は6であるという上限を設定することが必要になる.いわば上限付き幾何であるが,前の反省をふまえて,空間充填のための必要条件
lδ1+mδ2+nδ3+oδ4+pδ5+qδ6=2π
を満たす整数(l,m,n,o,p,q)を探索することにした.
ファセットの形も考え合わせると,
(0,4,0,0,0,0)
(0,0,3,0,0,0)
(0,0,0,3,0,0)
(1,0,1,0,0,1)
以外に解はない.
(0,4,0,0,0,0)
(0,0,3,0,0,0)
(0,0,0,3,0,0)
は実際に空間充填するが,
(1,0,1,0,0,1)
は局所的な空間充填ではあっても大域的な空間充填にはならない(このことはトポグラフを使って簡単に証明することができる).
以上のことから,4次元正多面体には4クラスあることがわかったが,それに引き続いて,
(0,4,0,0,0,0)
(0,0,3,0,0,0)
(0,0,0,3,0,0)
が同じ元素RPを使って構成できることを示すのである.
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5次元の場合もn+1が平方数のとき,分解合同条件
lδs+mδc+nδo=0 (modπ)
が成り立つ可能性があることが示されていて,これも煮えきらない結果であった.
それを空間充填条件
lδs+mδc+nδo=2π
に変更したが,8次元の場合だけ(l,m,n)=(1,0,2)なる解が存在する.それがE8格子なのだが,その場合でも構成元素数は減らせないことが証明できて,かくして一件落着とあいなったわけである.
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