一松信先生よりお手紙を頂いた.『正120胞体の対角線長の積についての計算結果をありがとうございました.あのくらいになると,もう手計算で無理をせず,コンピュータを利用すべきでした.対角線の長さの2乗の和が頂点数の2乗に等しいことは,中心に関して点対称な図形ならばほぼ自明ですが,積はやはり個別の計算するしかないようです.(平面の正多角形は代数的に簡単にわかる特例?)』・・・あらためてまとめておこう.
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【1】距離の積の計算
[1]n次元正単体
1辺の長さ={2(n+1)/n}^1/2
積={2(n+1)/n}^n/2
n=2のときは3^2=辺数の2乗
n≧3では(n+1)/nが整数でないので,整数でない
[2]n次元正軸体
1辺の長さ=2^1/2
積=2^2(n-1)/2・2=2^n・・・これは胞の個数と一致するが偶然??
[3]n次元超立方体
1辺の長さ=2/√n,・・・
2乗の積=(4/n)^(2^n-1)Πk^(n,k)
n=2のとき16=4^2
n=4のとき2^8・3^4=20736は整数 (2乗しない積も144)
n=3のとき,2^17/3^6など,それ以外は整数にならない.
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【2】散在型についての距離の積の計算
[1]正24胞体
積=2^4・3^4=1296
それ自体平方数
[2]正十二面体
√5が消えて,積が2^22/3^9(ほぼ213.1)
整数でない
[3]正二十面体
長さの積=2048/25√5=36.6357
√5は消えず,整数ではない.
[4]正600胞体
長さの積=2^16・3^10・5^6=6.04662×10^13
それ自体平方数
[5]正120胞体
長さの積=3^34・5^38・7^6・11^24・19^12・29^12・41^6/2^164=1.1184×10^66
整数でない
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