切頂面となる(n−1)次元面の頂点数は
[1]n=3のとき,
(x,1−x,0,・・・,0)→2(n−1)=4 (正方形)
[2]n=4のとき,
(x,x,0,・・・,0)→2(n−1)=6 (正八面体)
[3]n=5のとき,
(x,x,1−2x,0,・・・,0)→4(n−1)(n−2)=48
[4]n=6のとき,
(x,x,x,0,・・・,0)→4(n−1)(n−2)/2=40
[5]n=7のとき,
(x,x,x,1−3x,0,・・・,0)→8(n−1)(n−2)(n−3)/2=480
[6]n=8のとき,
(x,x,x,x,0,・・・,0)→8(n−1)(n−2)(n−3)/6=280
となって,n=3,4の場合を除き,(n−1)次元正軸体にはならないことが確認された.今回のコラムでは,空間充填2^n+2n面体の頂点数の不一致を解消したい.
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【1】空間充填2^n+2n面体の頂点数
[1]切頂八面体では正八面体の6頂点に配置された6枚の正方形の頂点同士,辺同士を結ぶことを考える.6枚の正方形の辺数の合計は24.このとき,新たにできる辺は正八面体の辺12である.したがって,切頂八面体の辺数は合計36本である.
また,2辺を結ぶと面ができるから,単純に考えると新たにできる面数は12となるはずである.しかし,このうち正八面体の面に配置された8カ所は共面となるので,8枚の正六角形ができる.6+8=14面体となるわけである.
[2]正24胞体では,正16胞体の8頂点に正八面体(頂点数6)が配置されている.しかし,頂点数は48とはならない.頂点(x,x,0,0)が2回重複されて数え上げられているからである.すなわち,頂点数は48/2=24.
8個の正八面体の辺数の合計は12本×8=96である.このとき,新たにできる辺はないので,辺数は96.
また,8個の正八面体の面数の合計は8面×8=64である.このとき,新たにできる面数は64/2=32となり,合計64+32=96面となる.
正16胞体の胞に配置されたところには16個の正八面体ができるので,8+16=24胞体となるわけである.
[3]5次元42胞体では,5次元正軸体の10頂点のところに48頂点からなる図形ができる.頂点(x,x,1−2x,0,0)も2回重複されて数え上げられるので,頂点数は480/2=240.
[4]6次元76胞体では,6次元正軸体の12頂点のところにに40頂点からなる図形ができる.頂点(x,x,x,0,0,0)も3回重複されて数え上げられるので,頂点数は480/3=160.
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【2】雑感
(その78)において,空間充填2^n+2n面体と区別するために,立方体の面数公式をgk(n)とすると,
f0(2)=g1(2)=4
f0(3)=g2(3)×4=6×4=24
f0(4)=g2(4)=24
f0(5)=g3(5)×6=40×6=240
f0(6)=g3(6)=160
としたが,6次元までは一致する結果が得られたことになる.
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