■n次元の立方体と直角三角錐(その70)

 置換多面体およびその正軸体版はどのような面(胞)構成になっているのであろうか? 直接計算することが難しい場合であっても,漸化式が求められればそれに越したことはない.

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【1】置換多面体の逐次構造

 切頂八面体(3次元置換多面体)を考えると,正四面体の4頂点と4面に正六角形(2次元置換多面体),6辺に正方形が配置されている.4次元置換多面体では,正5胞体の5頂点と5胞に切頂八面体(3次元置換多面体),10辺と10面に六角柱が配置されている.すなわち,3次元置換多面体である切頂八面体は8枚の六角形と6枚の正方形からなるが,4枚の六角形+6枚の正方形+4枚の六角形と考えることができる.同様に,4次元置換多面体は10個の切頂八面体と20個の六角柱からなるが,5個の切頂八面体+10個の六角柱+10個の六角柱+5個の切頂八面体と考えることができる.

 n次元置換多面体では,n次元正単体のn+1C1=n+1頂点とn+1Cn=n+1胞にn−1次元置換多面体,n+1C2辺〜n+1Cn-1(n−1)次元面はよくわからないが,これから類推すると,5次元置換多面体は6個の4次元切頂八面体+15個の4次元六角柱+20個の4次元立方体?+15個の4次元六角柱+6個の4次元切頂八面体,6次元置換多面体は7個の5次元切頂八面体+21個の5次元六角柱+35個の5次元立方体?+35個の5次元立方体?+21個の5次元六角柱+7個の5次元切頂八面体となるのであろうか? (そうはならないと思われる)

 ともあれ,n次元置換多面体には2(n+1)個のn−1次元置換多面体が配置されているのであるが,胞に配置されているn−1次元置換多面体は頂点の配置されているn−1次元置換多面体をベルト状に結ぶ際にできるものと考えないと辻褄が合わなくなる.

 なぜなら,n次元置換多面体の頂点数は(n+1)!であって,n−1次元置換多面体の頂点数n!の(n+1)倍であるからである.そうすると,n次元置換多面体の辺数(n+1)!・n/2は

[1]n−1次元置換多面体の辺数n!・(n−1)/2の(n+1)個分=(n+1)!(n−1)/2

[2]n−1次元置換多面体の頂点数n!の(n+1)個分=(n+1)!をすべて結ぶ際にできる辺数=(n+1)!/2

の和として得られることになる.

  (n+1)!(n−1)/2+(n+1)!/2=(n+1)!・n/2

 また,n次元置換多面体の胞数は

[1]n次元単体の頂点数=n+1

[2]n次元単体の辺数〜(n−1)次元胞数の和Σ(n+1,k+1)

の和であって,2(2^n−1)となるのである.

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【2】正軸体版の逐次構造

 3次元正軸体版である大菱形立方八面体は6枚の八角形と12枚の正方形と8枚の六角形からなる.これらは正八面体の6頂点に正八角形,8面に正六角形,6辺に正方形が配置されている.

 これから類推すると4次元正軸体版は8個の大菱形立方八面体+24個の八角柱+32個の六角柱+16個の切頂八面体,5次元正軸体版は10個の4次元大菱形立方八面体+40個の4次元八角柱+80個の4次元立方体?+80個の4次元六角柱+32個の4次元切頂八面体,6次元置換多面体は12個の5次元大菱形立方八面体+60個の5次元八角柱+160個の5次元立方体?+240個の5次元立方体?+192個の5次元六角柱+64個の5次元切頂八面体となるのであろうか? (そうはならないと思われる)

 ともあれ,n次元正軸体版には2n個のn−1次元正軸体版が配置されていることになる.その場合,n次元正軸体版の頂点数は2^nn!であって,n−1次元正軸体版の頂点数2^n-1(n−1)!の2n倍である.

 そうすると,n次元正軸体版の辺数2^nn!・n/2は

[1]n−1次元正軸体版の辺数2^n-1(n−1)!・(n−1)/2の2n個分=2^nn!(n−1)/2

[2]n−1次元正軸体版の頂点数2^n-1(n−1)!n!の2n個分=2^nn!をすべて結ぶ際にできる辺数=2^nn!/2

の和として得られることになる.

  2^nn!(n−1)/2+2^nn!/2=2^nn!・n/2

 また,n次元正軸体版の胞数は

[1]n次元正軸体の頂点数=2n

[2]n次元正軸体の辺数〜(n−1)次元胞数の和Σ(n,k+1)2^(k+1)

の和であって,3^n−1となるのである.

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