前2回は結果的にはタイプ2に分類される五角形から構成できる2種類のパターンを、マジョリー・ライスさんのスケッチを掘り起こしながら紹介してきた。今回はタイプ1(連続する3つの角度の和が360度)に分類される五角形が、ある付加条件の下で構成する美しいパターンを紹介しよう。
2A+B=C+D+2E=360°
b=c=e
左側の4枚組みと右側の4枚組みとは反転の関係にあり、これら8枚で平行移動の基本領域をなしている。これについてもライスさんがスケッチを残している。
もうひとつ。
D=E=90度、B=90度、A=C=135度
a=b=c=d=1とすると、e=√2 つまり総白銀比の4枚組みの五角形タイル貼りである。
このように、タイプ1やタイプ2に分類される五角形のなかには、付加条件をともなって2倍、4倍などの基本領域をもつ新たなパターンを構成できるものがある。杉本さんは6月の形の科学会でライスさんの見つけたおもしろいパターンなどを紹介してくれるそうだ。 (中川宏)
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