■歸園田居其六

 まず,訂正.題名は「園田の居に帰る」であった.

また,多くの注釈者が,これは「文選」のなかに他人の作品として収録されていると指摘する.

調べてみると,文選(李善注)巻三十一,江文通(江淹)雑詩三十首の中に同じ詩が収録されていた.

「文選」の選者蕭統は,陶淵明集の選者(ただし今日には伝わらない)でもあるので,これを陶淵明集に入れるとは考えにくい.

===================================

 陶淵明の《述酒》については,各種論文を読めば読むほどわからなくなってしまった.

 湯漢の注釈に「疑詞」とあり,すなおによめば「詞を疑う」

ところが,「疑」を「擬」の意味で使う例があり,これだと「詞に擬す」となる.文脈からすると後者を方が正しいように思われ,一部の学者は後者をとる.などなど.   (阪本ひろむ)

===================================