■スターリング型不等式の証明と漸近評価(その5)

 阪本ひろむ氏に解説をお願いした.

[1]y=x^x^x^x^x・・・については右結合(a^b^c=a^(b^c))であることに注意されたし.そうするとx>1のときでも収束しうるのである.左結合(a^b^c=(a^b)^c)であるとx>1でy=∞,0<x≦1でy=1となり面白くない.

 関数を漸化式で表し,

  f1(x)=x

  fn+1(x)=x^fn(x)

のように定義する(fn+1(x)=fn(x)^xではない!).

 xを固定すると,nに対してfn関数の値は単調減少か単調増加であるから収束する(∞もありうる).この値をaとし,これをaについて解く.

  a=x^a→ x=a^1/a

 極限値aを動かしたときのxの範囲を求めると,これがいわゆるxの定義域に相当する.以上の方針でいいはずだ.途中までの結果では・・・

  dx/da=a^1/a(1/a^2−loga/a^2)=0

  a=e → x=e^1/e

[2]これでxの定義域は(0,e^(1/e)]であるらしいことがわかったが,いまのところ[e^(-e),e^(1/e)]であることまではわからない.

[3]x≧1のときはfn(x)は単調増加であることから,これまでに行った結果は正しい.つまり,[1,e^(1/e)]でfn(x)は有限値に収束するので,y=x^x^x^x^x・・・はwell-definedなのである.それから先がわからない.

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