■スターリング型不等式の証明と漸近評価(その4)

[1]シュタイナーの問題:

  y=x^(1/x)の最大値を求めよ.

logy=(logx)/x

y'/y=(1−logx)/x^2

y’=(1−logx)x^(1/x-2)より,y=x^(1/x)は,x=eのとき,最大値e^(1/e)=1.4446・・・をとる.

[2]オイラーの問題:

  xが[e^(-e),e^(1/e)]=[0.0659・・・,1.4446・・・]の間にあるとき,y=x^x^x^x^x・・・(xのx乗のx乗のx乗の・・・)が,ある極限に近づくことをオイラーが示した.

 すなわち,e^(-e)=(1/e)^eはこの関数が有限値に収束するxの最小値であり,e^(1/e)=1.4446・・・は関数y=x^x^x^x^x・・・が定義される区間の上限値である.6の6乗の6乗の6乗の・・・は無限大に発散するが,√2の√2乗の√2乗の√2乗の・・・は有限値に収束するのである.

 e^(1/e)=1.4446・・・は1より大きいことに注意.本当に無限大に発散しないのであろうか?

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[Q]y1=x^xの最小値を求めよ.

  logx^x=xlogx

  (xlogx)’=logx+1=log(xe)

  y1’=y1log(xe)

 したがって,x^xは0<x<1/eでは単調減少,x>1/eでは単調増加.x=1/eのとき,最小値(1/e)^1/e=e^-1/e=0.9622・・・をとる.

[Q]y2=x^x^xの最小値を求めよ.

  logy2=y1logx

  y2’/y2=y1’logx+y1/x

[Q]y3=x^x^x^xの最小値を求めよ.

  logy3=y2logx

  y3’/y3=y2’logx+y2/x

 このように関数を漸化式で表す.ynのxを固定すると,nに対して関数の値は単調減少か単調増加である.極限値aを動かしたときのxの範囲を求めると,これがいわゆるxの定義域に相当する.

 yn+1が極限値をもつとき,yn+1’=0となるxが存在する.そのとき

  yn’/yn=−1/(xlogx)

ここでlog|logx|は1/(xlogx)の原始関数であるから

  logyn=−log|logx|+Cn

以下同様に,y2が極限値をもつならば

  logy1=−log|logx|+C1

なるxが存在する.

 ここで時間切れ.あと一息どころが,迷宮に迷い込んでしまったのかもしれない.

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