まずは(その38)の復習から.3次元の場合,全体を1次元あげて4次元正単体の境界多面体
V1(1,0,0,0)
V2(0,1,0,0)
V3(0,0,1,0)
V4(0,0,0,1)
x+y+z+w=1
をとるとしよう.
x≧y≧z≧w≧0なる点P(x,y,z,w)が与えられたとき,ずべての稜線の長さが等しくなるのは,点Pからw=0平面,x=y平面,y=z平面,z=w平面までの距離が等しいときである.点Pをn−1次元境界多面体上の点すなわちw=0として,点P(x,y,z,0)からx=y平面,y=z平面,z=w平面までの距離を等しくとると
(x−y)/√2=(y−z)/√2=(z−w)/√2
→ x=3z,y=2z,z=z,w=0
これらは,x+y+z+w=1上の点であるから代入すると,6z=1
→ x=1/2,y=1/3,z=1/6,w=0
また,重心座標は
c(S)=(1/4,1/4,1/4,1/4)
体心座標は
c(A)=(1/3,1/3,1/3,0)
c(B)=(0,1/3,1/3,1/3)
であるから,重心から各頂点に向かうベクトルは
(1/2−1/4,1/3−1/4,,1/6−1/4,0−1/4)
=(1/4,1/12,−1/12,−1/4)
重心から各面心に向かうベクトルは
(1/3−1/4,1/3−1/4,,1/3−1/4,0−1/4)
=(1/12,1/12,1/12,−1/4)
ここで,スケールをS=n(n+1)/2倍に拡大すると,
x=n,y=(n−1),z=(n−2),・・・,w=0
また,中心座標は
c(S)=(n/2,n/2,・・・,n/2)
それぞれの胞心は
c(A)=((n+1)/2,(n+1)/2,・・・,(n+1)/2,0)
であるから,重心から各頂点に向かうベクトルは
(n−n/2,(n−1)−n/2,・・・,0−n/2)
重心から各胞心に向かうベクトルは
(1/2,1/2,・・・,0−n/2)
このように考えれば置換多面体の元素が得られるはずである.これまで支離滅裂な考察による紆余曲折を経ながらも次第に正解に近づきつつあると思うので,計算を続行したい.
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【1】辺の長さ
n次元置換多面体は頂点座標が整数(0,1,2,3,・・・,n)の点の置換(n+1)!個からなる1辺の長さ√2の多面体である.
(0,1,2,3,・・・,n)−(1,0,2,3,・・・,n−1,n)
(0,1,2,3,・・・,n)−(0,2,1,3,・・・,n−1,n)
(0,1,2,3,・・・,n)−(0,1,3,2,・・・,n−1,n)
(0,1,2,3,・・・,n)−(0,1,2,3,・・・,n,n−1)→長さ√2,n本
このことから,頂点の次数はn,すなわち,単純ゾーン多面体であることもわかる.
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【2】対角線の長さ
(0,1,2,3,・・・,n)−(2,1,0,3,・・・,n−1,n)→長さ2√2,n−1本
(0,1,2,3,・・・,n)−(3,1,2,0,・・・,n−1,n)→長さ3√2,n−2本
(0,1,2,3,・・・,n)−(n,1,2,2,・・・,n−1,0)→長さn√2,1本
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(0,1,2,3,・・・,n)−(n,n−1,・・・,3,2,1,)→長さn√(n+1),1本
など
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【3】重心・面心間距離
また,正単体の中心から,各頂点までの距離c0^2は
Σk^2−nΣk+(n+1)n^2/4
=n(n+1)(2n+1)/6−n^2(n+1)/2+(n+1)n^2/4
=n(n+1)(n+2)/12
また,各胞心までの距離cn-1^2は
n(1/2)^2+(n/2)^2=n(n+1)/4
一般に,元の正単体の1次元面〜n+1次元面の中心は
{V1,V2,・・・,Vr}
から生成されるので,
(1,0,0,・・・,0)
(1/2,1/2,0,・・・,0)
(1/3,1/3,1/3,・・・,0)
(1/n,1/n,1/n,・・・,0)
(1/(n+1),1/(n+1),,・・・,1/(n+1))
をそれぞれS倍すればよいのだが,切頂切稜されているので,すぐには諸量を計算することはできない.次回の宿題としたい.
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