これまで,平行多面体の元素を設計する場合,立方体の基本単体を超平面|x1|+・・・+|xn|=n/2で切頂した多面体を考えてきたが,4次元以上の空間では,置換多面体(permutahedron)を考えるのが有効であると思われる.
2次元置換多面体は正六角形,3次元置換多面体は切頂八面体である.置換多面体はvn=(n+1)!個の頂点とcn=2(2^n−1)個のn−1次元胞をもつ.また,置換多面体は(n+1,2)次元の立方体のアフィン射影で,単純ゾーン多面体である.
===================================
【1】置換多面体の計量
vn=(n+1)vn-1
は頂点の次数がnであることを意味している.一方,
cn=2cn-1+2=2(cn-1+1)
cn+2=2(cn-1+2)
はどうだろうか?
「ハノイの塔」に類似した漸化式であるが,
cn=2(cn-1+1)
は,n−1次元置換多面体の周りにcn-1個の胞を配置して,それを表と裏に一対置いて両者を繋いだ平行多面体と解釈することができる.
さらに,
[Q]すべての辺が同じ長さになるのはどんなときだろうか?
という問題を考えてみよう.
たとえば,3次元の場合,外接球(x^2+y^2+z^2=1)面上にx≧y≧z≧0なる点P(x,y,z)が与えられたとき,ずべての稜線の長さが等しくなるのは,点Pからz=0平面,x=y平面,y=z平面までの距離が等しいときである.
z=(x−y)/√2=(y−z)/√2
残りの点は点Pの鏡映から得ることができるが,これでできあがるのは26面体[4,6,8]であって,切頂八面体[4,6,6]ではない.次回の宿題としたい.
===================================