(その2)で
an→Π1/cos(π/i)→8.70
に収束すると書いたことが気にかかっている.
an→Π1/cos(π/i)→およそ12
と記載した本もあり,収束値が大きく食い違っているからである.
多角形を円で囲む無操作を続けると,円の半径はどんどん大きくなり,やがて無限大になると思われるかもしれない.実際,円は当初きわめて速く大きくなるが,拡大の速度は徐々に低下し,円の半径は,無限乗積
R=1/cos(π/3)・1/cos(π/4)・1/cos(π/5)・1/cos(π/6)・・・=0.870003
に近づくのである.
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【1】無限に拡大する円?
半径r3の円がある.その円に正三角形を外接させる.その三角形に半径R3の円を外接させる.その円に正方形を外接させる.その正方形に半径R4の円を外接させる.その円に正五角形を外接させる.その正五角形に半径R5の円を外接させる・・・.正多角形は外側にいくほど大きくなるが,無限に大きくなるか?
[A2]
Rn/rn=1/cos(π/n)
ΠRi/ri=Π1/cos(π/i)
n→∞のとき,1/cos(π/n)→1となるのは,おなじみの内接(外接)する正多角形の辺の数→∞のとき,その多角形の周長の上限(下限)が円周の長さであることを表している.
ここで
R3=r4,R4=r5,R5=r6,・・・
より
Rn=r3Π1/cos(π/i) (i=3~n)
実際に無限乗積Π1/cos(π/i)の計算をしてみると,8.70に収束した.
Π1/cos(π/i)→8.70
Rn→r3×8.70
無限に大きくなっていくように思えるが,実際には上限があって,最初の円r3のおよそ9倍を超えることはできないのである.
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【2】ナポレオンの定理
数学が得意だったフランス皇帝ナポレオンが若い頃に発見したと伝えられている定理が,ナポレオンの定理「任意の三角形の各辺の外側に正三角形を作ったとき,それらの重心を結ぶと正三角形が得られる」です.
三角形の各辺の内側に正三角形を作ったときも,それらの重心を結ぶと正三角形が得られます.これらの2つの正三角形の重心は一致し,その面積の差は最初の三角形の面積に等しくなります.
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【3】テボーの定理
任意の平行四辺形の各辺を1辺とする正方形を描き,4つの正方形に中心を結ぶと,別の正方形が形成される.
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【4】バンコフのプロペラ定理
頂点が1点で会している3つの合同な正三角形がある(これらは接してもよいし,重なってもよい).このとき,隣接する正三角形の1点で会合していない頂点同士を結ぶ.このとき,3本の線分の中点はひとつの正三角形の頂点となる.
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【5】プロペラ定理の一般化
3つの正三角形は合同である必要はなく,どんな大きさであっても定理が成り立つ.また,正三角形である必要もなく,1点で会する任意の大きさの相似三角形であればよい.このとき,3本の線分の中点はひとつの相似三角形を形作る.
さらに,1点で会する必要もなく,3つの相似三角形が任意の大きさの4番目の相似三角形の各頂点で会すればよい.
[補]2つの任意の大きさの正方形が1つの頂点で会しているとき,それぞれの正方形の1対の頂点を結ぶ線分の中点と正方形の中心の4点は別の正方形を形作る.
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【6】ビークロフトの定理
「4つの円が互いに接している場合,それら4つの円と接点を共有する互いに接する別の4つの円が存在する.」
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【7】ジョンソンの定理
同じ大きさの3つの円が共通する1点を通過する場合,他の3つの交差点は同じ大きさの別の円上にある.
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