陶淵明 田園の居に帰る6の記事について,訓読は私(阪本ひろむ)の独断であり,専門家に合格点はもらえないだろう.私が気になったのは,
但願桑麻成 但願わくは 桑麻(そうま)成り
蠶月得紡績 蚕月(さんげつ) 紡績を得るを
の二句である.
陶淵明の作品に,桑と麻は頻出するが,養蚕に関する記述はほかに見られない・・・と,書いてしまったが,誤りであった.
「擬古」その九に,
「春蚕 既に食無く,寒衣 誰にか待たんと欲する」
という二句が有るのに気がついた.全集をくまなく読んでコメントしたつもりだったが,我が身の不明である.(ただ,この二句は,かなり比喩的表現ともうけとめられるのだが・・・)
ところで,蚕月(さんげつ)とは「旧暦三月」と角川の「字源」にのっていたのだが,蚕が繭になるのはいつ頃だっただろう?
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