(その1)では,正四面体の通り抜ける円形の穴の下限を「ペトリー面」を使って求めた.
1辺1の正四面体に対して,可能な下限は中央の切り口(ペトリー面)−1辺が1/2の正方形(ペトリー多角形)の対角線(長さ1/√2)を直径とする円であることはすぐにわかるが,これは正四面体の1辺の長さの70%であって,90%ではないことを注意しておく.
ペトリー面はもとの正多面体の対称面ではなく1種の回映面であって,対称面とは必ず交わる.今回のコラムでは,正十二面体や正二十面体などの場合を少し考えてみたい.
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[1]正八面体のペトリー面
1辺1の正八面体に対して,可能な下限は中央の切り口(ペトリー面)−1辺が1/2の正六角形(ペトリー多角形)の対角線(長さ1)を直径とする円である.
[2]立方体のペトリー面
1辺1の立方体に対して,可能な下限は中央の切り口(ペトリー面)−1辺が1/√2の正六角形(ペトリー多角形)の対角線(長さ√2)を直径とする円である.
[3]正二十面体のペトリー面
1辺1の正二十面体に対して,可能な下限は中央の切り口(ペトリー面)−1辺が1/2の正十角形(ペトリー多角形)の対角線を直径Dとする円である.
D=1/2sin(π/10)=φ
[4]正十二面体のペトリー面
1辺1の正十二面体に対して,可能な下限は中央の切り口(ペトリー面)−1辺がφ/2の正十角形(ペトリー多角形)の対角線を直径Dとする円である.
D=φ/2sin(π/10)=φ^2
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