単位級に内接する正多面体ではP1+P2+・・・+Pv=0よりΣdi^2=v^2が成り立ちますが,Σdi^2=v^2が成立する場合を「良い配置」と呼ぶことにします.
正多面体の頂点の集合が「よい配置」であることはかなり以前より知られていますが,正多面体でない準正多面体でも3次元の立方八面体や12面・20面体など,この性質をもつ多面体は多数あります.
正多面体,準正多面体,アルキメデス角柱,反角柱はすべて「よい配置」ですが,ジョンソン立体では
[1]外接球を有し,c=0のとき(外接球の中心OについてΣPj=0を満たす) → Σdi^2=v^2が成立
J27,J34,J37,J72-75,J80の8種類は外接球を有しΣPj=0を満たす(J73,J80は中心対称).
[2]外接球を有し,c≠0のとき(外接球の中心OについてΣPj≠0を満たす) → Σdi^2=v^2(1−c^2)が成立
J1-6,J11,J19,J62-63,J76-79,J81-83の17種類は外接球を有しΣPj≠0を満たす.
[3]外接球をもたず,c=0のとき(重心cについてΣPj=0を満たす) → Σdi^2<v^2が成立
[4]外接球をもたず,c≠0のとき → Σdi^2<v^2(1−c^2)が成立
今回のコラムでは,新たな系[5]を追加します.
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【1】対角線の全長の2乗と対角線の2乗の総和
対角線の本数は(辺も含めて)v(v−1)/2=N,対角線の長さの2乗の総和は頂点数の2乗v^2となるが,対角線の全長については何かいえるだろうか?
(Σdi)^2>Σdi^2=v^2
すなわち,対角線の全長の2乗>対角線の2乗の総和は明らかであるが,対角線の全長の2乗の上界を求めてみよう.
u=(1,1,・・・,1),v=(d1,d2,・・・,dN)
に対して,コーシー・シュワルツの不等式(u・v≦|u||v|)を適用すれば,
(Σdi)^2≦N・Σdi^2=v^3(v−1)/2
等号が成立するのは,d1=d2=・・・=dNであるから,正単体に限られる.
なお,
(Σdi)^2<v^4/2 → Σdi<0.7v^2
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