正多角形の作図は円周等分問題という幾何学問題ですが,x^n−1=0という代数方程式の解と密接な関係にあります.正17角形(n=17)の場合,
x^17−1=(x−1)(x^16+x^15+・・・・+x+1)=0
より,
x=cos(2π/17)+isin(2π/17)
は16次方程式
x^16+x^15+・・・・+x+1=0
の解となるのですが,複2次形式
y=x+1/x
とおくことによって8次方程式に帰着されます.
(その19)では,8次方程式
256x^8−448x^6+240x^4−40x^2+1=128x^7−192x^5+80x^3−8x
から,x=cos(π/17)を明示的に求めることができなかったので,今回のコラムでは,
x^16+x^15+・・・・+x+1=0
を解いて,その実部からcos(π/17)ではなくて,cos(2π/17)を求めることにしたいと思います.
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ところが,Mathemakicaでは
x^16+x^15+・・・・+x+1=0
の解が自動的に
x=cos(2π/17)+isin(2π/17)
に変換されてしまい,+−×÷√の演算の組み合わせの形には戻らない(阪本ひろむ氏談).
答を先にいうと,
cos(2π/17)=1/16{−1+√17+√(34−2√17)+2√(17+3√17+√(170−26√17)−4√(34+2√17)}
が得られる.
また,単位円に内接する正17角形の1辺の長さは
√{(1−cos(2π/17))^2+sin^2(2π/17)}
=√(2−2cos(2π/17))
=1/4{34−2√17−2√(34−2√17)−4√(17+3√17+√(170−26√17)−4√(34+2√17))}
で与えられる.
定規とコンパスで描ける図形は直線と円であるから,その作図は線分の長さの加減乗除と平方根をとる操作に相当する.すなわち,定規(直線)とコンパス(円)による作図は,たとえそれらを繰り返し用いたとしても+,−,×,÷,√なる5つの演算によって得られるものに限られている.前述したことは正17角形が定規とコンパスで作図可能な図形であることを示す.
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