H・E・デュードニーの「カンタベリー・パズル」が、ちくま学芸文庫から出ていることを知ったのでさっそく買い求めた。しかしのっけから難問続出でまるで歯が立たない。ようやく21問目に食いついてみた。
● 16本の木で、4本の木が並ぶ列を15列作れ ●
という問題である。しかしこれもギブアップ。解答を見て驚いた。
じつに見事というほかない。しかもデュードニーが、証明はできないがこれが最大であると強く確信していると付言していることが印象深い。私もきっとそうだと思う。黄金比がこんな場面でも威力を発揮していることがじつに興味深い。と同時に、16点で15本というのはたいへん効率的な配列だと感じた。
以下、4本の木が並ぶ列を4連珠と呼ぶことにするが、はたして4連珠のもっとも効率の良い配置はこれだろうかと考えてみた。つまり合計16本という条件をはずしてもっとも効率よく4連珠を作れる総数と配置をもとめるという課題である。すると、面白いことにもう少し効率のいい配列があることがわかった。
さきほどの図との違いは、中心の点を削除し、もっとも小さい正五角形のなかに五芒星を書き加えたことにあるが、これによって20点で20本の4連珠をつくることができる。
5連珠になってしまう場合は4連珠とはみなせないので、これ以上点の数を増やしても効率はよくならない。したがって20/20が4連珠の最高効率であろうと思う。(つづく,中川宏)
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