１９７５年に，アマチュア数学愛好家のリチャード・E・ジェイムス３世が発見したタイプ９は１４種類の五角形タイル貼りのなかでもひときわ異彩を放っている．

　一目見て八角形が目に付くことからして，他にはない特徴である．また，基本領域は八角形をなす４枚（正転）と上下ないし左右の２枚（反転）のあわせて６枚である．裏表の比が１：１でないというのもタイプ１４がでてくるまでは唯一の特徴であった．

　正８角形と正方形によるタイル貼りは日常よく見られる．

　この八角形を十字に４等分すれば合同な五角形ができるというのが発想の出発点であろう．あとは４等分した五角形で八角形の隙間を埋めることが出来るかどうか？　八角形の並びを一列おきにずらしてやれば正方形だった隙間が五角形に変化する，じつに巧妙な技法だと感嘆させられる．　　　（中川　宏）

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