■美しい五角形のタイル貼り(タイプ7で遊ぶ・続き)

 続きです.   (中川 宏)

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 下の図において,2とみなしたところはやはり誤りでした.図の太線部分が同じ長さのようで,したがって2より小さいことは明らかです.とはいえ,この五角形がタイプ2を構成する五角形であることには変わりありません.

 タイプ2の充填条件は,

  A+B+D=360°,a=d

ですが,下の図のように記号をふればその理由を説明することが出来ます.

 一般の記号の回り方と反対に時計回りになっていますが,裏返したとみなせばいいだけのことです.内側の正7角形ももちろん外側の正7角形と相似なので,

  A+B+D=360°

はつねに保たれています.そして,a=dとなるようにリングを7等分すればかならず,タイプ2の五角形の条件を満たすというわけです.a=dとなるようには,もちろんコンパスで適当にもできますが,うまくしたことに正多角形の場合は,対角線を選べばすいすい作ることができます.

[1]正7角形からえられるタイプ2の五角形(その2)

[2]正9角形からえられるタイプ2のタイル貼り五角形(2種類)

[3]偶数正多角形からもできます.

 このように,どんな正n角形からもタイプ2のタイル貼り五角形ができ,しかもその作り方からして,いずれも正n角形の一部をふくんだ端正な形をしています.とくに正五角形からえられるものは正五角形をまるごとふくんでいるので,とても美しいと思います.

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【雑感】

 正五角形だけを使ってタイル貼りする場合,どうしても隙間が残ってしまう.正五角形を10枚丸く並べるとちょうどひとつの輪になり,正10角形の隙間が残る(デューラー・パターン).また,正五角形を5枚を星形5角形の隙間が残るように並べることもできる(ケプラー・パターン).正10角形の隙間に可能な限り正五角形を詰め込むと,菱形や星形5角形の隙間が残る非周期的な平面充填ができあがる(ペンローズ・パターン).これらは太陽と星を模していると思われる.

 中川宏さんの考案された五角形タイル貼り(中川パターン)では正五角形タイル貼りの隙間をうまく調節して,正五角形に黄金三角形を2つつけて五角形タイルを実現している.日本の将棋齣の相称形を模しているわけではないだろうが,ひときわ美しく感じられるのである.どうやら,中川宏さんは新種の五角形タイルの考案したようである.   (佐藤郁郎)

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