今回のコラムでは,本来の位置で基本単体をRPを作る超平面で切った切片を考えてみる.その切片は多分全部で4種類になると予想される.基本単体16個(=384/24)でRPが構成できれば万々歳であるが,そうは問屋が卸さないのである.
しかし,その切片を組み立て直せば基本単体にもRPにもなるから,有望な4次元の素片としての価値があるだろう.
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【1】もうひとつの基本単体の分割
基本単体の対角線の中点
(1/2,1/2,1/2,1/2)
を通る超平面
x1+x2+x3+x4=2
は4次元立方体の頂点
(2,0,0,0)
も通ります.
そこで,基本単体
p0(0,0,0,0)
p1(1,0,0,0)
p2(1,1,0,0)
p3(1,1,1,0)
p4(1,1,1,1)
の鏡像体を
p0(2,0,0,0)
p1(1,0,0,0)
p2(1,1,0,0)
p3(1,1,1,0)
p4(1,1,1,1)
とおいて,各辺の交点を求めてみることにします.
直線p0p4は
−(x1−2)=x2=x3=x4
で表されます.したがって,p0p4との交点は
(2,0,0,0)
直線p1p4は,
x1=1,x2=x3=x4
したがって,p1p4との交点は(1,1/3,1/3,1/3)
直線p2p4は,
x1=x2=1,x3=x4
したがって,p2p4との交点は(1,1,0,0)となってp2と一致します.
直線p3p4は,
x1=x2=x3=1
したがって,解は(1,1,1,−1)となってp2p4とは交わりません.
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次にp0を通る直線の場合を調べてみます.直線p0p1は
x2=x3=x4=0
ですから,x1=2となって,交点は(2,0,0,0)
直線p0p2は
−(x1−2)=x2,x3=x4=0
ですから,線分p0p2全体が交線となります.
直線p0p3は
−(x1−2)=x2=x3,x4=0
ですから,x1=2,x2=x3=0となって,交点は(2,0,0,0)となります.
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次にp1を通る直線の場合を調べてみます.直線p1p2は
x1=1,x3=x4=0
ですからx2=1.したがって,交点は
(1,1,0,0)
となり,p2と一致します.
直線p1p3は
x1=1,x4=0
ですから,x2=x3=1/2.交点は
(1,1/2,1/2,0)
となります.
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p2を通る直線p2p3では
x1=x2=1,x4=0
ですからx3=0.したがって,交点は
(1,1,0,0)
となり,p2と一致します.
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【2】切片の計量
この切片はどのような形になっているのだろうか? 基本単体の頂点
p0(2,0,0,0)
p1(1,0,0,0)
p2(1,1,0,0)
p3(1,1,1,0)
p4(1,1,1,1)
と前節で求めた4交点
(2,0,0,0)
(1,1/3,1/3,1/3)
(1,1,0,0)
(1,1/2,1/2,0)
はすでにわかっている.また,4次元の立方体の基本単体の稜数は10であるから,これ以外に交点はない.
切り口は(3次元)四面体で,直角三角形4枚よりなる.
1:√3:2(正三角形の半分)
1:√8:3
2:√8:√12
√3:3:√12(正三角形の半分)
x1+x2+x3+x4≦2の部分をとると,5頂点
q0(2,0,0,0)
q1(1,0,0,0)
q2(1,1,0,0)
q3(1,1/3,1/3,1/3)
q4(1,1/2,1/2,0)
が頂点となる.これは単体(5胞体)で,q1を除く点は超平面x1+x2+x3+x4=2上にあるから,(3次元)四面体を底とし,4個の四面体が一頂点に集まった4次元の「4面体角錐」である.
辺の長さは
q0q1=1,q0q2=√2,q0q3=√(4/3),q0q4=√(3/2)
q1q2=1,q1q3=√(1/3),q1q4=√(1/2)
q2q3=√(2/3),q2q4=√(1/2)
q3q4=√(1/6)
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それに対して,x1+x2+x3+x4≧2の部分をとると,6頂点
q0(2,0,0,0)
q1(1,1,1,1)
q2(1,1,1,0)
q3(1,1,0,0)
q4(1,1/3,1/3,1/3)
q5(1,1/2,1/2,0)
が頂点となる.これは6胞体で,q1,q2を除くと超平面x1+x2+x3+x4=2上にある.
辺の長さは
q0q1=2,q0q2=√3,q0q3=√2,q0q4=√(4/3),q0q5=√(3/2)
q1q2=1,q1q3=√2,q1q4=√(4/3),q1q5=√(3/2)
q2q3=1,q2q4=1,q2q5=√(1/2)
q3q4=√(2/3),q3q5=√(1/2)
q4q5=√(1/6)
となることがわかる.
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